「引っ越し先でゴミの分別方法が違う…」戸惑った経験がある人は多いのではないだろうか。そんな中、仙台市は4月からプラスチック資源の一括回収を始める。いわゆる「プラマーク」がなくてもプラスチック素材100%であれば、捨てられるようになる。全国の政令指定都市の中で最も早く一括回収を始める市の目的とは?
なぜ4月からプラ資源の一括回収?

仙台市で4月から始まる、プラスチック資源の一括回収。これまでの容器包装に加えて新たに加わるのが、①プラスチックハンガーなどの収納用品や洗面道具②台所用品③ちりとりや植木鉢などの屋外用品④文具やおもちゃなどだ。プラマークがなくてもプラスチック素材100%であれば、捨てられるようになる。

一括回収開始まで1週間を切った3月下旬、街の人に話を聞いてみると、プラスチック一括回収を知っている人と知らない人はほぼ半々だった。認知度は高いとは言い難い。

一方で、「分別しなくていい」ことは、ほとんどの人が「楽でいい」と話す。なぜ、このタイミングでのスタートなのか。仙台市の担当者に話を聞いた。

仙台市 廃棄物企画課 川村優果さん:
2022年4月にプラスチック資源循環法ができ、容器包装と製品プラスチックを合わせてリサイクルできるようになったからです。家庭ごみの焼却量が減ることは地球温暖化対策の観点からも重要。いち早くプラスチックのリサイクルに取り組むことにしました。

市内10の地区では、2023年1月から先行して一括回収が行われているというので、その地区の一つ、青葉区錦ケ丘に行ってみた。この日出された指定袋にはCDケースやプラスチック製のおもちゃ、ハンガーも入っている。

住民は「どれ出していいか悩んでいたが、どれでも比較的プラに出せるので悩まず」「可燃ごみがコンパクトになりました」と話す。
おもちゃを家庭ごみではなく、リサイクルに
錦ケ丘に住む阿部さんは、一括回収が始まってから分別の手間がなくなり、「家庭ごみ」の量が減ったことに加え、ある大きな変化を実感しているという。

阿部綾乃さん:
一番多いのは子供のおもちゃ。そのままにしていると増えていくだけなので。プラスチックのおもちゃが大部分だと思います。おもちゃの整理だけで燃えるごみの袋が2つや3つと多くなっていたんですが、気持ちが楽になりました。子供たちにもごみに捨てるのではなく、違うものに変わりリサイクルになると話をしました。

大切なのは「捨てる」のではなく、「リサイクル」されるということ。仙台市では年間18.6万トンの「家庭ごみ」が処理されている。1人1日当たりでは465グラム。仙台市は400グラム以下に減らすことを目標としている。そのカギを握っているのがプラスチックのリサイクルなのだ。

合言葉は「プラはすべて赤い袋に」

記者リポート:
回収されたプラスチック製の容器包装はすべてここに集められます。その量は1日あたり50トンから60トンになるそうです。

この工場では、仙台市内で回収されたプラスチック製容器の受け入れから、リサイクル製品の製造までワンストップで行っている。今後、一括回収されたプラスチックもすべてここで受け入れることになっている。
作業の工程を見せてもらうとまずは回収されたプラスチックから手作業で異物を取り除く。この日はくつやドライヤー、刃物まで見つかった。

異物を取り除いた後は、製品の原料になるプラスチックを分別。回収量の45%が固形燃料に、残りの45%が運搬用パレットとして再製品化される。

仙台市 廃棄物企画課 川村優果さん:
家庭ごみの中に製品プラスチックと容器包装が15%ぐらい入っている。資源循環の観点からも大変ありがたいので、この機会にプラは全て赤い袋に入れてもらえればと思います。

合言葉は「プラスチックは全て赤い袋へ」。目指すのはプラスチックの全量リサイクルだ。
(仙台放送)