新型コロナ影響…パクチー5トン以上廃棄
後継者や担い手不足が問題になっている日本の農業に欠かせない技能実習生。
新型コロナウイルスの影響で、来日できないケースが相次ぎ、農家を悩ませている。
熱々のスープに仕上げに乗せられたのは、香味野菜のパクチー。

独特の風味から、中華料理や東南アジアの料理などには欠かせない食材で、国内でも年々消費量が増えているが、今その生産農家が苦境に追い込まれている。
福岡・久留米市のパクチー農家・香月勝昭さん。
76棟ある農業用ハウスで、1日最大400kgを収穫している。全国でも有数の規模だ。

しかし、新型コロナによる外出自粛などの影響で、神奈川・横浜市の中華街をはじめとする飲食店が軒並み仕入れを減らしたことで、この数カ月でなんと5トン以上を廃棄した。
損失は約1500万円にものぼり、影響は深刻だ。

香月勝昭さん:
2月から9割、3月で8割、4月で7割、5月で6割と、ずっと階段のように下がっている。6月になると半分以下になるんじゃないかと予測は立てている

農家に追い打ち…技能実習生が来日できず
技能実習生:
こんにちわ
さらに追い打ちをかけているのが、働き手の不足。
現在、香月さんの農場で農作業を手伝っているのは、フィリピン人の外国人技能実習生6人。
7月末に新たに2人を迎え入れる予定だったが、新型コロナで入国を制限されている。

技能実習生とは、東南アジアなどの外国人が最長5年間、日本で農業技術などを学ぶ制度で、現在、農林関係の実習生は全国で約3万人。
しかし、新型コロナの影響で、全体の1割近い2500人ほどが来日できなくなっている。
技能実習生:
私の後輩が日本に来られなくなった。みんな心配です。コロナありますから、少し大変です

香月勝昭さん:
残ったパクチーがなくならないと、次の種がまけない。刈り取りの時期を過ぎてしまい、40~50cmになって規格外になってしまうと、商品価値は0になる。普段の業務にプラスで田植えがあったり、秋だと収穫があったりする。人がいないと仕事が回らなくなってしまう

実習生の手助けを見越して収穫の計画を立てている農家にとって、人手不足は死活問題。
香月さんの農場でも、技能実習生が来るめどは、現在のところ全く立っていない。

(テレビ西日本)