年金改革を掲げるフランスのマクロン政権が、年金の受給開始年齢を62歳から64歳に引き上げる法案を“強行採決”。

ゴミが散乱し、炎が上がる(3月26日 フランス・パリ)
ゴミが散乱し、炎が上がる(3月26日 フランス・パリ)
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これに国民の7割が反発。各地で大規模な抗議活動が行われ、警察と市民が衝突し、デモが激化しています。

フランスの「年金受給年齢引き上げ」の問題。
専門家は、同じく年金問題を抱える日本でも、同様のことが起こりえるといいます。

満額支給が70歳に延長は?納付期間延長で負担増の可能性

現在、日本の年金制度は20歳から60歳になるまでの40年間の「国民年金」や「厚生年金」の加入期間等に応じて年金額が計算され、「65歳」から“満額”を受け取ることができます。

しかし、年金問題に詳しい東北大学特任教授の村田裕之氏は、この満額受給開始年齢が「70歳」になる可能性があるというのです。

東北大学 村田裕之特任教授
東北大学 村田裕之特任教授

東北大学 村田裕之特任教授:
今、現状は65歳が満額支給の基準になっていますが、今後、これが70歳になる可能性は、あると思います。その最大の理由は、日本の人口の年齢別のアンバランスです。高齢者が増えて若い人がどんどん減っている。それによって年金を支払う人が減ってきて、逆に受給する人が増えていけば、当然財政的なアンバランスを受ける。

国民年金の納付期間が延長する可能性も出てきています。
2025年の改正案で、国民年金の納付期間を5年延長する案が検討されています。村田氏によると、現在年間約20万円納付の国民年金保険料が、5年の延長なら、約100万円納付額が増える計算になるといいます。

東北大学 村田裕之特任教授:
おそらく少しずつ制度変更、マイナーチェンジですね。これを繰り返して、やっていくという方向に行くと思います。例えば先ほど申し上げた70歳に延長するだけでも、相当な制度変更が必要なので、大変なエネルギーがいろんな方に必要になります。なので、そういう意味で、できるところから、やれるところからと、やや付け焼き刃的ですが、それでいくのだろうと思います。

(めざまし8 「わかるまで解説」より3月28日放送)