コロナ禍が始まって3年。感染対策として最も重視されてきたマスクの着用について、大きく方針が変わる。これまでは、屋外では原則不要、屋内では原則着用だったが、3月13日からは、基本的に「個人の判断」に委ねられる。愛媛県内では、具体的にどのような対応がとられるのだろうか。

「外では外す」「まだ抵抗がある」

松山市内でマスクの着用について聞いた。

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街の人:
(これからマスクは)しません。蒸れて暑いです。ずっと着けていたんですけど、もういいかなと思いますね。みんなの顔が見たいですね。マスクがない生活に早く戻ってほしいです

街の人:
今までずっと着けていたので、その状況に慣れてしまっているから、そのまま着けておこうかなみたいな感じです。急に外すのはちょっと抵抗がある。恥ずかしい

街の人:
外では外します。コロナも落ち着いてきた感じだし、外ならいいかな。電車の中は着けようかな…ぐらいですかね

街の人:
人ごみでは着けます。私は外では着けないですね。暑いのはしんどいです。熱中症はしんどいので、外では外すと思います

街の人:
多分、人ごみでは着けるかなと思うんですけどね。感染症については、まだ安心できないし、感染症はなくなっていないのに、みんな何でこんなおおらかになっているんだろうという気はしますけど。人にうつさないかというか、私が運び人になってもいけないなという感じはあるので、安心材料をもっと増やしたいなという気はしますね、コロナについては

街の人:
やっぱり着けます。花粉症のせいもあるんですけど、やっぱり外すのも気が引けるというのもありますし。今もコロナが2、3人会社で出ているので、外せないですね。まだまだ怖い

各業界のマスク着用ルールは?

マスク着用のルールが緩和されたことで、買い物や食事に出掛けた際の各店舗の対応がどうなるのかも気になる。そこで、愛媛県内の各業界の対応をまとめた。

まずは、生活に欠かせない買い物・小売りの現場。松山市に本社を置くスーパー・フジとショッピングモールのエミフルMASAKIは、「安心して買い物をしてもらえるよう」ということで、従業員は引き続きマスク着用とする。

また、百貨店のいよてつ高島屋と松山三越も、従業員は引き続きマスク着用として、消毒液やアクリル板の設置など感染対策は続けるという。小売業界は、それぞれこれまで利用客に求めていたマスクの着用については個人の判断として、従業員は着用を継続する形。
※高島屋の「高」の字はハシゴダカ

続いて、歓送迎会のシーズンを迎える居酒屋・バー・スナックなどが加盟する愛媛県社交飲食業生活衛生同業組合は、個人の判断に委ねつつも感染対策などで必要な場合、従業員や利用者にも着用を求めるとしている。また、飲食店などが加盟する愛媛県料飲業生活衛生同業組合も組合員個人の判断に任せるとしている。

そして、接客中にどうしても人の距離が近くなる理髪店などでつくる愛媛県理容生活衛生同業組合と愛媛県美容業生活衛生同業組合では、各店舗の経営者個人の判断に委ねるとしている。ただ、感染対策に気を配っている店も多く、接客中は着用する店が多いのではとみている。

最後に、春の観光シーズンに入って、にぎわいが期待される観光・交通機関の対応は、愛媛を代表する観光地・道後温泉の旅館協同組合は、加盟32社に通知を出して、新型コロナが「5類」に引き下げられるまでマスクを着けて接客するよう求めている。また、愛媛県内の交通機関のうち、伊予鉄道では乗客の安心安全のため、電車・バス・タクシーの乗務員のマスク着用は続け、利用客に対しては個人の判断に任せて、マスク着用の呼びかけはしない考え。

ただ、国は混雑する電車やバスに乗る際や、医療機関・高齢者施設を訪れる際などには、マスク着用を引き続き求めていて、状況による対応が必要。

「場面に応じたマスク着用を」

業界によって様々な対応がある中、コロナ禍でいろいろな制約を受けてきた期待の声も上がっている。

炙り家かんたろう 店主・多田晃弘さん:
ようやくですよね。日本の場合は。本当に長かったですね

松山市二番町の居酒屋「炙り家かんたろう」は、日本各地の海や山の幸が味わえる人気の居酒屋。

炙り家かんたろう 店主・多田晃弘さん:
基本的にはお店の判断、従業員の判断となると思います

マスク着用についてのガイドライン
マスク着用についてのガイドライン

居酒屋やバーなどで作る、愛媛県社交飲食業生活衛生同業組合の理事長でもある店主の多田さん。業界のガイドラインでは、基本的にマスク着用は店側の判断としていて、多田さんもマスクを外す考え。

炙り家かんたろう 店主・多田晃弘さん:
僕自身は、基本的にはマスクなしで営業しようかなって思います。あとは体調が悪いとか、感染がかなり拡大したとかのときには着用したりとか、そのときの判断でやっていこうかなと思っています

歓送迎会が本格化するこれからのシーズン。マスク着用の緩和をきっかけに、客足が戻ることを期待している。

炙り家かんたろう 店主・多田晃弘さん:
業界の方でも2月、3月に入って3年ぶりにお見えになるお客さんとか、ちらほら見えてきた明るい兆しは感じています。ちょっとずつ動いてほしいなと思ってます

コロナ禍が始まって3年、ようやく感染対策が大きく変わる。

中村知事は10日、マスク着用の見直しについて「決して一律でマスクを外して良いという意味ではなく、周囲の方に感染を広げないため、自身を感染から守るため、場面に応じたマスク着用にご協力をお願いいたします」とコメントを出した。一人一人のエチケットは、今後も求められる。

(テレビ愛媛)

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