新型コロナウイルスの影響で休校が続いていた学校も再開している中、福岡県沖の玄界灘に浮かぶ島から、特別な思いで高校に進学する2人の女子生徒がいる。

2020年3月、小さな島の分校を2人の中学生が卒業した。

この記事の画像(12枚)

姫島では中学卒業が節目の年

森凪彩さんと松尾有沙さん。
島の子どもにとって、中学卒業は特別な節目。高校に進学するため「15の春」に生まれ育った島を離れるため。

2人が育った福岡・糸島市沖の姫島は、玄界灘に浮かぶ周囲3.8km、人口160人ほどの漁業の島。
豊かな自然の中で育った子どもたちは、いつも元気いっぱい。

森凪彩さん:
(島の好きなところ)温かいところですかね。人が優しいところ

松尾有沙さん:
自分の子どものように見守ってくれる

学校行事は島の一大イベント。島全体が“大きな家族”となる。

新型コロナで旅立ちの日が先延ばしに…

3月、2人のために開かれた「卒業披露会」。
先生や島の子どもたちが言葉を贈る。15歳で親元を離れる娘に両親は…

有沙さんの母 松尾美由紀さん:
15年で島を旅立つことは分かっていました。夢である建築士の道へ、たくさん失敗しながら楽しい学校生活を送ってください

凪彩さんの母 森知子さん:
家族みんな、凪彩のことが大好きです。皆で応援しています

島から旅立つ2人は…

松尾有沙さん:
わたしやお姉ちゃんのお世話をしてくれて、ありがとうございます。私は建築士になりたいという夢を叶えられるように頑張るので、よろしくお願いします

森凪彩さん:
わたしをここまで大きく育ててくれてありがとう。この島で教えてもらったことを大切に、高校生活を頑張りたいと思います。そしていつか姫島に恩返しができたらいいなと思っています。小学校6年間、そして中学校3年間、本当に有り難うございました

ところが、新型コロナの影響で2人が進む高校も休校に。
覚悟を決めていた旅立ちの日も、先延ばしになってしまった。

期待と不安を胸に新しい学校生活へ

そして、ひと月半後。ようやく訪れた旅立ちの日。緊急事態宣言が解除され、学校が始まる。

真新しい制服姿の凪彩さんと有沙さん。
高まる胸に、少しの不安と大きな期待が交差する。

ふるさとから離れていても、心はひとつ。
15の春に姫島を巣立った子どもたちは新たな世界でさらに大きく羽ばく。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
テレビ西日本

山口・福岡の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。