北朝鮮が2月18日に続いて、20日朝、また弾道ミサイルを2発発射した。しかし、政府からの発射情報はなぜか3回あり、混乱も生じた。
ミサイル発射の2時間後に報道 写真も公開
18日午後6時半頃、北海道江差町で撮影された映像には、まばゆい光を放ちながら、漆黒の空に降り落ちていく物体が映っていた。


これは、北朝鮮が日本海に向け発射し、日本のEEZ内に落下したICBM=大陸間弾道ミサイルとみられている。

さらに映像は、北海道の観光都市・函館でも捉えられた。

北朝鮮の脅威がより間近に迫る中、20日、新たに2発の弾道ミサイルが発射された。

1発目は午前6時59分頃、2発目は約10分後の午前7時10分頃に発射され、いずれも日本のEEZの外側に落下した。

その2時間後、午前9時。朝鮮中央テレビの放送で、アナウンサーが「朝鮮人民軍西部前線長距離砲兵部隊の当該放射砲兵区分隊が、20日朝7時、放射砲射撃訓練を行いました」とミサイル発射を素早く伝える“異例の報道”が行われた。

さらに正午には、今回発射したミサイルの写真も公開。ミサイル発射直後に写真などを公表するのは“極めて異例”だという。


フジテレビの鴨下ひろみ客員解説委員は、「極めて異例のことだと言うことができます。(軍事演習などで)アメリカと韓国が、非常に強い姿勢で北朝鮮に挑んでいるという意味で、これに北朝鮮が敏感に反応したとみることができる」と話す。

「政府の信頼に関わる」発射情報で混乱
一方、北朝鮮の挑発を受ける日本では、ミサイル発射情報をめぐって混乱が起きた。
海上保安庁は、20日朝の発射について3回の発射情報を出した。しかし、その後会見した松野官房長官は「ミサイルは3発ではなく2発」と述べた。

松野官房長官によると、内閣官房から海上保安庁に送られる発射情報について、2回目の発射情報が到達しているか直ちに確認できず、内閣官房側が再度送信。そのため発射情報が3回発表されたと説明した。

この対応について、自民党内から疑問の声も…。
自民・小野寺元防衛相:
このような混乱がありますと、私どもの政府の信頼にかかわります。しっかりとした精査をし、このようなことがないように対応していただきたいと思います。

一方、政府は今回の発射情報について、発射回数を誤認したわけではないとの立場だが…。
政府関係者は、「役人的なすり替え答弁だよね。この言い訳はちょっと違和感がある」と冷ややかだ。

また、SNS上では「いざというとき大丈夫?」「緊張感が足りず、お粗末すぎる」など政府の対応に疑問の声が上がっている。


(「イット!」2月20日放送)