1982年11月15日に大宮~新潟間で営業運転を開始した上越新幹線。開業40周年を記念した特別列車「なつかしのあさひ号」に鉄道好きのNST鈴木秀喜アナウンサーが乗車し、1日限りの夢の時間を過ごした。

2022年11月、上越新幹線・新潟~大宮間の開業40周年を記念したセレモニーが新潟駅で開催された。

上越新幹線開業40周年記念セレモニー
上越新幹線開業40周年記念セレモニー
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40周年記念イベントのひとつが、「なつかしのあさひ号」特別運行。学生時代は”乗り鉄・撮り鉄”だったという鈴木秀喜アナウンサーが乗車した。

鈴木アナウンサー:
白地にグリーンの開業当時のカラーリングが非常に懐かしいです

NST鈴木秀喜アナウンサー(鉄道大好き)
NST鈴木秀喜アナウンサー(鉄道大好き)
特別列車は開業当時のカラーリングが施された
特別列車は開業当時のカラーリングが施された

開業当時は先端の丸みが特徴的な「200系」の車両が走っていた上越新幹線。

開業当時の上越新幹線
開業当時の上越新幹線

しかし、200系はすでに引退しているため、今回は特別に、E2系車両に開業当時のカラーリング(白+グリーン)を施した。

通常のE2系
通常のE2系
懐かしの200系をE2系で再現
懐かしの200系をE2系で再現

名称変更の理由は“紛らわしい”から?

現在運行している新潟駅発着の新幹線の名称は「とき」。しかし、開業当時は「あさひ」という名称もあったのをご存じだろうか?

鈴木アナウンサー:
開業当時は速達型の車両が「あさひ」、各駅停車型の車両が「とき」でした

なぜ「あさひ」という名称がなくなったのだろうか?

上越新幹線の後に開業した長野新幹線では「あさま」という車両名が採用されたが、この「あさま」と「あさひ」が紛らわしいことが名称変更の一因になったと言われている。

鈴木アナウンサー:
「あさひ」という文字が非常にレアですね

特別運行で復活した「あさひ号」
特別運行で復活した「あさひ号」

今は無い「あさひ号」が、「なつかしのあさひ号」として1日限りの復活を果たしたのだ。その車内に乗り込んでみると…

鈴木アナ:
E2系車両の窓についている日除けは、上から引き下げて窓をぴったりと覆うタイプのものですが、開業当時の200系では、横に引いて閉める布のカーテンがついていたんです

開業当時の200系列車の内装
開業当時の200系列車の内装

車内に“佐渡おけさ”のチャイム

いよいよ、大きな発車ベルの音で「なつかしのあさひ号」が発車!

新潟駅を出発してしばらくすると、車内に”佐渡おけさ”の音楽が聞こえてくる。

鈴木アナウンサー:
今回の特別運行では、当時の車内チャイム音も再現されているんです。開業当時、新潟駅ではこの“佐渡おけさ”が流れていたんですね

車内チャイムは停車駅にちなんだものだった 
車内チャイムは停車駅にちなんだものだった 

鈴木アナウンサー:
今はどの駅でも同じ車内チャイムですが、昔はそれぞれの駅で違うチャイムが流れていて、今どのあたりにいるのか耳でわかったんです

トンネル内で車体が傾いていた!

さらに列車は進み、上毛高原駅と高崎駅の間にある中山トンネルに差し掛かると…

車内アナウンス:
ただいま中山トンネルに入りました。まもなく列車はトンネルの中でも特に急カーブの地点に停車します。ペットボトルのキャップを締めていただきますようお願いいたします

この中山トンネルは難工事の影響で、急カーブを描いている。そんな中山トンネルの中で、今回特別に新幹線が停車するという演出がとられた。

すると・・・

40周年特別企画 中山トンネル探訪特別運転
40周年特別企画 中山トンネル探訪特別運転

車内アナウンス:
現在、中山トンネルの中でも特に急カーブの地点で停車しています。車両の傾きをご体感いただけますでしょうか

鈴木アナウンサー:
確かに傾いています。どれくらい傾いているのか、ボールを床に置いてみます

床に置いたボールは、勢いよく転がっていく。

車体が傾くことで、ペットボトルの飲み物も水面が斜めに・・・
車体が傾くことで、ペットボトルの飲み物も水面が斜めに・・・

車内アナウンス:
普段、走行中の新幹線では体感することのない車両の傾きですが、なぜこのような傾きがあるのでしょうか?実はこの急カーブを高速で走行する際に生じる遠心力の影響を抑える「カント」という工夫があるためなんです

「カント」とは、カーブの外側のレールを内側のレールより高くすること。これにより急カーブでも大減速せずに走行できるのだとか。

知られざる鉄道の秘密を体感した鈴木アナウンサー。そうこうしているうちに、なつかしのあさひ号は今回の終点である大宮駅に到着した。

鈴木アナウンサー:
大宮駅に着きました。なつかしのあさひ号の終点です

開業当時を知る人もそうでない人も楽しめた1日限りの列車旅。終点の大宮では大人気スポット鉄道博物館にも潜入するなど、"鉄分”の濃いロケに、鈴木アナもご満悦だった。

鉄道博物館に展示されている200系
鉄道博物館に展示されている200系

2021年にはオール2階建て車両E4系Maxが引退するなど、いまも変化を続けている上越新幹線。

2023年3月のダイヤ改正で最高速度が時速275kmに引き上げられ、東京~新潟間が7分程短縮される予定だ。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
NST新潟総合テレビ

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