80年代に歌手・女優として活躍した高樹澪さん。

彼女はある病の影響で、芸能界活動を続けていくことが困難になってしまったという。

6月4日(木)放送の『直撃!シンソウ坂上』(フジテレビ系)では、高樹さんを襲った病やダイエットが原因である依存症になった女性などを特集した。

原因はストレスか?

1981年に21歳で芸能界デビューを果たした高樹さんは、80万枚を超える大ヒット曲の歌手でありながら、女優としても当時の人気ドラマに多数出演していた。

しかし、40代を迎えようとした頃から、痙攣により口が閉まらなくなり、日常生活もままならなくなる。現在、60歳の高樹さんは9年の闘病生活の末、その病を克服した。

39歳のときにまず、右目元の痙攣が起こる。自分の意思に反して右目が動いたが、特に痛みもないことから気に留めなかった。

それから痙攣の回数が増えたことに気づくが、疲労からくるものと思い込み、鍼灸院や整体に行くと「ストレス」だと言われ納得する。その思い込みが人生を狂わせてしまった。

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当時のことを高樹さんは「時間をかけてゆっくりすれば、何かが変わるんじゃないかと淡い期待で治そうと思ったんですけど、ひどくなっちゃいました」と振り返る。

その後も、口元にも痙攣が起こり、水を飲むこともままならなくなるなど、症状は悪化するばかりだった。「(口が)閉まっているか、閉まっていないか分からない状態。人間として成立していない感じが情けなかった」と明かした。

繰り返し起こる激しい痙攣により、なかなか寝付けない。痙攣する顔の右側をベッドに強く押さえ付けたり、自分の顔を何度もたたいていたと明かし、「もう涙を流していました。本当にきついです」と当時を振り返った。

そこで高樹さんが手にしたのは大量の睡眠薬。仕事のストレスや治まることのない痙攣に、睡眠薬の量は日ごとに増えていき、精神状態が不安定になってしまったことで、うつ病を発症してしまう。

それでも原因はストレスだと疑わなかった高樹さんは、「仕事のストレスさえなければ痙攣は止まる」と信じ、芸能界引退を決意した。

友人の言葉を受け病院へ

こうして仕事のストレスから解放された高樹さんだったが、病状が治まることはなかった。

そんなとき、友人から「片側顔面痙攣」ではないかと指摘される。そこで、高樹さんは発症から9年が経ってようやく医師の診断を受けたという。

告げられた病名は、友人の言う通り「片側顔面痙攣」。血管が顔面神経を圧迫することで発症すると考えられる病で、脳内にある血管と顔面神経が近いところにある人に起きやすいという。

山王クリニック品川の脳神経外科専門医・山王直子院長は「男性なら10万人に7人くらい、女性なら15人くらいいると言われています。40歳以上の女性の方が多い。神経が敏感になっているときなので、疲れているときに痙攣が起きやすくなる」と説明した。

ストレスや緊張が悪化の原因とされているが、血管が神経を圧迫する原因や、女性に多い理由ははっきりとは分かっていない。この病の治療は、耳の後ろの頭蓋骨に500円玉サイズの穴を開け、顔面神経を圧迫している血管をはがす手術が有効とされている。

高樹さんも手術に挑み、無事に成功。9年間苦しみ続けた痙攣は、すっかり消え、2009年、5年ぶりに芸能界に復帰した。

高樹さんは「本当にやってよかったです。“生きているだけで丸もうけ”と大先輩が言っていましたが、本当にその通りだと思います。今、すっごく幸せです」と笑顔を見せた。

糖質制限ダイエットには成功…その過程で恐ろしい病に侵された女性

続いては、ダイエットに潜む恐怖の病。

体重98キロの20代の女性が過酷なダイエットに挑戦し、3年半で見事40キロもの減量に成功するが、その過程である病に侵されてしまった。

幼いころから食べることが大好きだったその女性。20代前半のときの1回の食事を見ると、ハンバーガーショップでフライドチキン3つとポテトを山盛り、〆はラーメン店でチャーシュー麺を注文。

自宅では4合の白米を主食に、5種類以上のおかずを並べていた。1回の食事で、成人男性2日分に相当するカロリーをとっていたという。一緒に暮らしていた妹にエスカレートする食欲を心配されても、気に留めなかった。

しかし、お気に入りのスカートが履けなくなったり、便器を壊してしまったことから、人生で初めてダイエットを決意し、食生活を見直すことに。

高カロリー三昧をやめ、ヘルシーな食事に切り替えると、2年半ほどで約27キロのダイエットに成功。体重は98キロから71キロになり、もっと短期間で劇的に痩せたいと思うようになる。こうして、行き着いたのが糖質制限だった。

糖質制限について、あおき内科さいたま糖尿病クリニック・青木厚院長は「食事中の炭水化物の量を控えること。糖尿病や減量目的の方、体重を減らす場合も糖質制限は有効です。1日に接種する炭水化物、糖質の量を150グラム以下に抑えていく」と説明。

そもそも、糖質制限は糖尿病患者などに向けた食事療法で、正しい知識と専門家の指導が必要になるため、素人の判断で行うのは危険とされている。

例えば、一般的な20代女性の場合は、1日に摂取する糖質量の目安は約270グラム。茶碗5杯分の白米にあたるが、この女性が独自に始めた糖質制限は、1日の糖質量をわずか30グラムに抑えるものだった。

すると、3ヵ月で15キロのダイエットに成功し、体重が56キロに。当時のことを「どんどん数字が落ちていくことが目に見えてうれしかったので、徐々に過激になってしまった背景もあります」と語る。

パンへの異常な欲求が抑えられない

その一方で体調に変化が起きていた。職場では目まいや倦怠感でふらつき、全くやる気が起きない。集中力を欠きミスばかりするようになり、少しずつ異常を自覚するようになっていった。

こうした症状の原因をJメンタル五反田駅前クリニック・小林城治理事長は「糖質制限による低血糖症状が考えられます。1日の糖質量を極端に抑えていたため、血糖値が低下、集中力の欠如や焦燥感が生じ、感情の起伏まで激しくなっていった」と分析した。

それでも日に日に糖質制限をエスカレートさせていったことで「人が変わったよう」と家族から心配され、糖質制限をやめることに。しかし、それが恐ろしい病への入り口となってしまった。

極端な糖質制限をやめ、家族で行ったビュッフェで何気なくパンを口に入れると、女性はこれまで感じたことのない衝撃が頭を突き抜けるのを感じ、とてつもない幸福感に包まれたという。彼女にとってまともな食事は3ヵ月ぶりで、パンを食べるのは2年ぶりだった。

糖質制限の反動からか、瞬く間に10個以上のパンを一気に完食。それ以来、甘いパンへの欲求が抑えられなくなり、職場では昼休みだけでなく、仕事中にもつまみ食い。まるで中毒症状のように、定時前になると手が震えることもあったという。

その症状は収まることなく、3ヵ月後には体重が10キロリバウンド。自ら恐怖を覚えるような異常な欲求に、精神科の医師に相談できるインターネットのサイトを利用し、問診を受けると「糖質依存症」と診断された。

常に甘いものや糖質を大量に取らずにはいられなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなる。極端な糖質制限をしていたため、甘いパンを口にしたことで、脳内のドーパミンが過剰に分泌され、糖質依存症になったと考えられるという。

自身の異常な欲求に病名が付いたことで「安心感と解決策を見出せるようになった」と話し、改めて糖質制限と向き合うことに決めた。適度な糖質量とバランスの良い食生活を心掛け、過剰なダイエットやパンの誘惑から解放された。

その後体重も50キロ台をキープし、彼女は健康的な暮らしを送っているという。

(「直撃!シンソウ坂上」毎週木曜 夜9:00~9:54)