感染者30人超で「東京アラート」発動

6月2日午後11時、赤くライトアップされたレインボーブリッジ。

東京で新たに34人の感染を確認するなどウイルスへの不安が再び広がる中、感染拡大の警戒を呼びかける「東京アラート」が発動した。

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東京都で1日に30人以上の感染者が確認されたのは緊急事態宣言下の5月14日以来19日ぶり。

主な感染場所は夜の繁華街

東京都・小池知事:
週単位の陽性者増加比も高い水準で推移をしている。いわゆる夜の街関連とみられていて、その約半数が新宿エリアにおける飲食接客業関係者が占めているとの報告を受けている。

再び増加する感染者。その主な感染場所として挙げられるのが、夜の繁華街。

東京都によると、5月27日から6月2日までの1週間で感染が確認された114人のうち、約3割にあたる32人が接待をともなう夜の繁華街の飲食業の従業員や客だった。

歌舞伎町(2日午後8時すぎ)
歌舞伎町(2日午後8時すぎ)

午後8時をすぎた歌舞伎町はかなりの店が再開し明るさが戻ってきた。実際に街を歩いてみると、多くの人が出歩き、マスクを着けずに話し込む人や久しぶりの再会なのか抱き合う女性の姿もあった。

歌舞伎町がにぎやかさを取り戻したのは最近の話ではない。
実は、緊急事態宣言が解除される前からすでに人出が戻っていて、5月11日の映像をみると若い人を中心に多くの人でにぎわい、路上はすでに密状態になっていた。
5月中旬での感染が現在現れているとみられている。

5月11日の歌舞伎町
5月11日の歌舞伎町

テレワーク・時差通勤の定着を

小池都知事:
この東京アラートですが、都内の感染状況を都民の皆さんに的確に知っていただくもの。是非これを機会に改めて、例えば夜の街の“3密”など十分注意していただきたい。

また小池知事は、今後の休業要請などの緩和について、ステップ2から1に戻るのではないとしたうえで、改めて警戒を呼びかけた。

小池都知事:
最近、電車が混んできたということだが、あらためてテレワーク・時差通勤など、これは会社側の問題かもしれないが、やはりここでやめてしまわないで、あらためて働き方のシステムとして取り入れていただくようにあらためてお願いを申し上げたい。“withコロナ”を前提とした新しい日常の徹底をお願い申し上げたい。あらためて原点に立ち返り、1人1人の行動が社会全体に影響をもたらすんだということ、意識を持っていただければと感じている。どうぞよろしくお願いいたします。

単価の高い物が売れ行き好調

三田友梨佳キャスター:
流通の最前線で景気の動向をウオッチしているマーケティングアナリストの渡辺広明さんに伺います。経済活動の再開に向けてアクセルとブレーキの加減というのがなんとも悩ましいところですが、どうご覧になりますか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
そうですね、2カ月間自粛が続いていたので企業の資金が底をついている可能性があります。大手企業でさえ運転資金は2~3カ月分しかないと言われています。中小企業や個人商店は非常に切迫した状況にあるのではと考えられます。

三田友梨佳キャスター:
企業の対応としてはどういったことが考えられますか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
小売業、飲食業などは当然マスクを着用したりとかソーシャルディスタンスをとるなど感染防止対策をきっちりしているのですが、今そのプラスアルファが求められています。例えば小売業では自粛したストレスの反動か、ちょっと贅沢な商品が売れていたりします

三田友梨佳キャスター:
その「ちょっと」というのがポイントのような気がしますが、具体的に消費者はどのようなものを支持しているのでしょうか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
6月はまだ始まったばかりですが、コンビニにヒアリングしてみると弁当やサンドイッチや調理麺などがちょっと単価の高いものが売れていて、客数は減っているけど売上はアップしている状況にあるんです。百貨店を見ても宝飾品や衣料品などはちょっと苦戦していますが、食料品など生活に密着した商品は単価が高い物が売れてきているようです。なので細やかな消費者のニーズに応じて各企業が購買意欲を刺激する商品を開発すると経済が上向いていくきっかけになるのではと考えています。

三田友梨佳キャスター:
新しい生活様式に伴う消費の流れの変化にどこまで追いついて行かれるか、それを掴めるかがカギとなるのかもしれないですね。
東京アラートが発動されましたが、手綱を引き締めたり緩めたりしながら一歩ずつ前に進むことになるんだと思います。その間もこれまで同様マスクや手洗いなど1人1人ができる限りの対策をしながら生活をしていくことが大切なのだと思います。

(「Live News α」6月2日放送分)