バレーボール春高全国切符を手にしながらも、全国大会の直前で部員の新型コロナ陽性が判明し欠場を余儀なくされた富士見高校。高校バレーの集大成を戦えなかった先輩たちの思いを胸に新チームが始動した。
春高県大会で10連覇

2022年、春高県大会を制し10連覇を達成した富士見高校。プレッシャーを乗り越えて掴んだ全国切符に、選手たちは歓喜の涙を流した。
インターハイでの悔しさを晴らそうと意気込んでいた。

しかし、全国大会直前の検査で部員の新型コロナ陽性が判明。大会規定で欠場を余儀なくされ、黄色のユニフォームが全国で躍動することはなかった。

富士見高校・甲斐 健悟 監督:
やっぱり悔しいという思いしかなかったですね。ここまで頑張ってありがとう、ということと悔しいけど受け入れるしかないと話しました
引退した3年生がサポート

全国出場が叶わなかった3年生。当然 悔しさも残るが、引退した後も練習に参加し、サポートする姿があった。
もう一緒には全国の舞台に立つことはできない。それでも、下級生に託した思いがある。

富士見高校・小池 ゆうき 前主将:
1・2年生がこれから頑張って、次の春高で勝ってくれれば、自分たちは悔いが残らないから、切り替えてこれから頑張ってほしいって伝えました
エースのケガに仲間が奮起

先輩からバトンを受け取り、走り始めた下級生たち。
ただ、県女子バレー界の強豪も3年生が抜け、部員は12人に。さらに新キャプテンでエースの渡辺をいきなりケガで欠く厳しい状況だ。

そんな中でも自らを奮い立たせていたのが、チームの柱として期待されている2年生・八田舞花だ。
富士見高校・八田 舞花 選手:
3年生が卒業したあとも安心して富士見を応援してもらえるように、今回の新人戦で優勝して自分たちの自信にもつなげて、インターハイや春高につなげられるようにしたい
先輩たちの思いを胸に

決意新たに迎えた新人戦。八田は持ち前の強烈なサーブで勢いをもたらすなど、ゲームキャプテンとしてチームを引っ張り、初陣を飾る。
続く2回戦は県西部地区の強豪・浜松商業。ここで、試合開始直後に1人が負傷交代のアクシデントに見舞われた。

それでも逆境をバネに絆を深め、強豪対決を制した富士見。試合後の選手たちは、安堵の表情を浮かべていた。

行き場のない悔しさから新たな一歩を踏み出した初日こそが最大の山場だったのかもしれない。
その後、決勝に進んだ富士見は、三島南との大接戦も制し、大会連覇を達成。新チーム最初の大会を、最高の形で飾った。

富士見高校・八田 舞花 選手:
まずはこのメンバーで優勝できたことはすごくうれしいです。3年生の分まで今年は思い切りプレーして、インターハイと春高につなげていきます!と伝えたいです

黄色のユニフォームが躍動する姿を全国の舞台で。先輩たちの思いを胸に、挑戦は続いていく。
(テレビ静岡)