全国で相次ぐ強盗・窃盗事件、一体どのように“標的”にされてしまうのでしょうか。
「めざまし8」は犯罪ジャーナリストの多田文明氏を取材。事件の背景にある〝闇名簿〟の実態に迫りました。

入手した資料を見せてくれる、犯罪ジャーナリストの多田文明氏
入手した資料を見せてくれる、犯罪ジャーナリストの多田文明氏
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 学校・会社・不動産・病院…“闇名簿”の恐怖

世の中に存在する様々な名簿やリスト…多田氏は、これらが“闇名簿”として、犯罪グループの間に出回るケースがあるといいます。

犯罪ジャーナリスト 多田文明 氏:
「名簿屋」というところが集めてリスト化して、詐欺グループなんかに渡していて、それが今回の強盗事件とか、詐欺の犯罪に使われてしまう。

詐欺グループが入手していた「病院のカルテ」を見せる多田氏
詐欺グループが入手していた「病院のカルテ」を見せる多田氏

犯罪グループがターゲット探しに使うという、闇の名簿。中には、「病院のカルテ」などもあるといいます。

カルテに記載されていたのは、男性患者の生年月日、住所や電話番号。家族構成及び家族歴まで。さらに緊急連絡先の部分には、妻や長女の名前、連絡先も書き込まれています。
病院の関係者が流出させたものなのでしょうか。

ほかにも、学校・会社・不動産名簿・顧客名簿などが、不正に利用されているといいます。
これらの情報をもとに“名寄せ”と呼ばれる作業が行われます。

名寄せとは、複数の種類の違う名簿から、同一の名前や電話番号などで同じ人物をまとめ、情報の精度を上げることで、より詳細な「闇名簿」ができあがるのです。

さらに、アンケート調査や警察・市役所などを装い情報を引き出したり、SNSの投稿から、旅行日程や高額商品の購入などの情報収集を行うといいます。

“闇名簿”からどうやって個人情報を守っていけばいいのか?

日常に潜む「闇」。私たちはどのように個人情報を守っていけば良いのでしょうか?
多田氏は、気をつけなくてはいけない点として、以下のものをあげました。

【電話】知らない番号は出ない、長電話は避ける
【アンケート】その場で判断しない、書く内容を第三者に相談
【訪問販売】すぐに買わない、家の中に入れない

犯罪ジャーナリスト 多田文明 氏:
個人情報保護法は順次改正されていまして、企業にも厳しく「収集した情報を目的外に利用してはならない」「第三者に提供してはならない」という義務を課しています。
それに対しては当然行政処分や、最終的には罰則というものがある法体系になっているんですけども、なかなか実効的に守られていない現状もあるので、こういうような機会に、例えば名簿業者を取り締まることも含めて、真剣に考えなくてはならない時期に来ていると思います。

(めざまし8 2月2日放送)