カギをなくして家に入れない…。

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そんなカギのトラブルに年間約1万2000件対応している「カギの救急車」新宿店。

その“カギ開け職人”の現場を取材した。

都内在住、80代女性のSOS

2022年10月の午前11時半ごろ、都内のマンションに住む女性からSOSが入った。

カギ開け職人:
こんにちは。ご依頼ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

依頼者は80代の女性。ドアノブを見てみると、カギがささったままだ。

依頼者:
開くのは開くんですけど、動くんですけど、それが抜けないの…。

前日の夜に帰宅した女性がカギを開けて入ろうとしたらカギが抜けなくなったという。

原因は何なのか?さっそくカギ抜き作業を始めると…

カギ開け職人:
無理して、強く引っ張っても抜けないですね…。

「あっ抜けました」

ドライバーの柄の部分で叩くこと、わずか4秒。女性が何度やっても抜けなかったカギが抜けた。

原因を調べるため、カギをさし込むシリンダーを外して分解する。

カギ穴専用のスプレーを吹きかけ、汚れを洗い流すと…、下に敷いていたタオルが黒くなってしまった。汚れがたまっていたのだ。

カギが抜けなくなった原因は、空気中のホコリがカギ穴にたまり、固まってしまったためだった。

カギの抜きさしがスムーズにいかない場合は、カギ穴専用の潤滑剤スプレーを吹きかけ手入れするといいそうだ。ただし、油が入った潤滑スプレーはNG。

今回の料金は、カギ抜き作業とシリンダー2個分の分解洗浄と出張費で、合計2万6400円(税込み)だった。※作業内容により料金は異なる

千葉県在住、70代男性のSOS

同じ日の午後5時過ぎ、千葉県に住む男性から緊急の依頼が入った。

依頼者はマンションで1人暮らしをしている70代の男性。

開けてほしいのは金庫だった。

なぜか扉の上の部分が折れ曲がっている。

男性は2日間かけて金庫の扉をこじ開けようとしたそうだ。

カギ開け職人:
番号がもう分からなくなってしまいました?

依頼者:
もう、ちょっと分からない…。

いつもはダイヤルを回さず、カギだけで金庫を開けていたが、何かの拍子にダイヤルが回り、開かなくなったという。

金庫はカギ開け職人にとっても厄介なようで、このタイプの金庫はダイヤルの暗証番号が約10万通りもあるという。

ダイヤルを回し、すべる音を頼りに“当たり”を探る。

作業開始から約15分、取材スタッフが念のため再確認してみると…

――番号を右に何回、左に何回とかどこかに書いていませんか?
依頼者:
一応、書いてはあるんですよ。

ダイヤルの番号は分からないと言っていた男性だが、暗証番号はメモしてあるという。

そして戸棚から取り出した手帳に書いてあったのは、まさに金庫の暗証番号を記したメモだった。

早速、カギ開け職人がメモを見ながらダイヤルを回すと、「ガチャ」という音と共にカギが開いた。

依頼者:
あ!本当ですか。
いや~うれしいな!
いや~よかったな、本当に!

金庫の中にあったのは、缶のケースと赤いポーチ。

缶の中には通帳や印鑑、そして赤いポーチには帯の付いたままの札束が2つ、約250万円という現金が入っていた。

依頼者:
明日、銀行に振り込みの手続きに行かないと。

依頼者、これで支払いや買い物ができると一安心した。

今回の料金は、金庫の解錠と出張費で、合計1万9800円(税込み)だった。※作業内容により料金は異なる

都心で家族と暮らす50代女性のSOS

同じ日の午後8時過ぎ。向かった先は都心のマンション。

カギを失くして家に入れないという女性からの緊急依頼だ。

依頼者は50代で夫と息子の3人暮らしだという。

まずは身分証明書を提示してもらい、依頼者の住所と顔を確認する。

そして…カギ職人が問題の扉を確認する。

カギ開け職人:
上と下、両方(カギ)かかってます?

依頼者:
かかってます。(上と下は)違うカギなんですよ。
たぶん落としたか、(バッグに)いれていたはずなんですけど、何かなくなっちゃって…。

扉に2つカギが付いているタイプだった。

病院と買い物に出かけていた女性は、玄関前で鍵がないことに気づいたという。

女性にはどうしてもすぐ家に入りたい切実な理由があった。

「ワン!ワン!ワン!」
家の中から犬の泣き声が聞こえてくる。

家の中では、愛犬2匹が留守番をしていて、早く顔を見せて安心させたいという。

ドアの内側に特殊工具を挿し込み、まずは上の鍵の解除を試みる。

するとわずか30秒ほどで…「ガチャッ」と音がした。

カギ開け職人:
おそらく開いたと思います。

あっという間に、上のカギの解錠に成功した。

続いて下の鍵にとりかかるが、なかなか開かない。

カギ開け職人:
ここら辺に何か付けています?ボックスとか。

依頼者:
あ~、マスクケースがあるかもしれない。

コロナ禍の今、女性は出かける時にマスクを忘れないよう、ドアの内側にマスクケースを付けていた。

どうやら、そのマスクケースが作業の障害になっているようだ。

特殊工具を何度も調整して作業開始から約10分…。

「ガチャ」と音がして、ようやく下のカギの解錠にも成功する。

扉が開いて嬉しそうにはしゃぎ回る2匹の愛犬
扉が開いて嬉しそうにはしゃぎ回る2匹の愛犬

留守番をしていた愛犬2匹が女性に駆け寄り、嬉しそうにはしゃぎ回る。

依頼者:
いや~よかった。壊してとか開かなかったら、何か変わったカギだからどうしようと思って…。

今回の料金は、2カ所のカギの解錠と出張費で、合計3万9600円(税込み)だった。※作業内容により料金は異なる
 

誰にでも起こりうるカギのトラブル…
日頃の注意が重要だ。

(「イット!」 1月26日放送)