2023年、豊洲市場の初競りで競り落とされたのは、青森県大間産の一番マグロ。2022年より2000万円高い、3604万円で落札された。
その一番マグロを釣り上げる漁師に密着取材した。

大みそかに水揚げしたマグロが3604万円

色鮮やかな本マグロの赤身に、上質な脂がたまらないトロ。自然と笑みがこぼれる美味さだ。

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1月5日朝、豊洲市場の初競りで競り落とされた青森県大間産重さ212キロの一番マグロ。

2022年より2000万円近く高い、3604万円で落札された。

ミシュランガイドで星を獲得したレストランなどを経営するオノデラグループと、仲卸「やま幸」が共同で競り落とした。
そのめでたい一番マグロが、さっそく「銀座オノデラ」の回転すし店で提供された。

赤身とトロの2貫盛りで、値段は1040円。
食べた人に話を聞くと、「原価だと1皿9000円くらいになるらしいので、コスパがすごいな」と話していた。

新春の風物詩となったマグロの初競り。
そのスタートを前に、豊洲市場には主役の本マグロがずらりと並んだ。

豊洲市場では、仲卸業者など目利きのプロが、懐中電灯でマグロの腹の中などを照らして見ていた。

ここ4年間、豊洲の一番マグロはすべて、青森県大間町で水揚げされた最高級ブランド「大間まぐろ」。

大間からは、年末に水揚げされた本マグロ53本が初競りに出荷された。

「一生に一度でいいから釣りたい」

イット取材班は大みそかに、2022年に一番マグロを釣り上げた漁師・菊池一夫さんの船に特別に乗せてもらい、同行取材を行った。

菊池一夫さん:
初競りに向けて、1本なんとか欲しいなと思って

菊池さんは一本釣り漁師。乗組員の山本さんと2人で漁を行い、企業秘密だという特製の仕掛けで、200キロ超の大物を狙う。

この日 釣り上げたマグロは140キロ台にとどまりまったが、初競りに向けて豊洲に送られた。

菊池さんの漁師仲間・熊谷義宣さんも、40年ほど一番マグロの夢を追い続けている。

熊谷義宣さん:
漁師の誉れで、一生に一回やってみたいなって

一生に一度でいいから釣りたい一番マグロ。
その栄誉を2023年も掴んだのは、マグロ御殿の主人だ。

吹き抜けのエントランスを飾る大きな花と大理石の床。

その先にあるリビングで、高級な洋酒などが並ぶ棚の前に座るのが、レジェンド漁師・竹内正弘さん。
一番マグロを釣り上げたのは、今回で7回目。

竹内正弘さん:
普通の小魚とは違うね、金額も金額だしね。一番っていうのは特別じゃないですか

大みそかに水揚げした212キロのマグロに3604万円の値が付き、今回も見事一番マグロになった。
竹内さんの奥さんも喜びをかみしめていた。

竹内正弘さんの妻:
本当に夢みたいですね

その一番マグロがふるまわれたのが、東京・表参道にある回転すし店「廻転鮨 銀座おのでら本店」。

200組の予約枠はわずか3時間で埋まり、運よく一番マグロを口にできた人々は、その貴重な味に酔いしれていた。

(「イット!」1月5日放送より)