21日、福岡県全域で謎の異臭が
21日、福岡県全域で謎の異臭が
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21日、福岡県全域で異臭騒動が起こった。
福岡市に住む人は「家出た瞬間、硫黄っぽいにおいがしたって感じでしたね」「下水臭いなとは、朝、思ったんですけど」と、口をそろえる。

福岡市では、最大で通常の23倍の濃度の「二酸化硫黄」が観測されたが、原因はわかっていない。

異臭の原因は…300m先に!? 偶然が重なって起こったか

しかし、予想外の可能性があることを、大気の環境に詳しい専門家が指摘した。

九州大学・竹村俊彦 教授:
桜島からの火山ガスが流れてきたと考えるのが、科学的に妥当。

鹿児島県の桜島は、福岡とは約300キロ離れている。

前日、鹿児島周辺が赤色に。福岡は青や緑だが…
前日、鹿児島周辺が赤色に。福岡は青や緑だが…

しかし、異臭騒動の前日(20日)に観測された二酸化硫黄のデータを見てみると、桜島が噴火し、鹿児島周辺は濃度が高い赤に。

翌日の朝には、二酸化硫黄が北上。福岡で緑や黄色になっている
翌日の朝には、二酸化硫黄が北上。福岡で緑や黄色になっている

二酸化硫黄はその後、風に乗って北上し、異臭騒動の当日には福岡県全域に到達している。

さらに九州大学の竹村俊彦教授は、「九州北部に飛来したタイミングで雨が降り始めた」と、雨に溶け込んで降り注いだため、においが発生した可能性があると指摘している。

「噴火」「風」「雨」。3つの要素が絡んで起きた可能性が高いという、今回の異臭騒動。専門家も、これだけ重なることは珍しいとしている。

(「イット!」2022年12月23日放送より)

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