「宣言解除」でも一部企業では在宅勤務を継続

緊急事態宣言が全面的に解除されてから一夜明けた5月26日、都内の駅にはマスクを着け、出社する人が多く見られた。

通勤する女性:
(出社は)基本的には今日からなんですけど、徐々に元通りになおしていきます。気持ち的に不安な面が多いです。

出勤する男性:
通勤は昨日から(始まった)。先週は一日おきで会社に来ていました。 先週よりは電車混んでいましたね。

一方、都内のオフィスを覗いてみると、人はほとんどいなかった。

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精密機器メーカーのリコーは、宣言解除後も会社への出社率5割を上限とし、商談などもオンライン会議を活用する方針だ。

リコー 山下良則社長:
何でこの仕事、みんなで集まって会議やっているんだっけという疑問を、お互い問いかけながら、自問自答しながらやれば、ずいぶん会社が変わっていくと思う。

また、東芝でも原則在宅勤務を続けるほか、日立製作所も7月末まで取り組みを継続。その上で、2021年4月には、在宅勤務率5割を目指すとしている。

居酒屋には客の姿 でも銀座のクラブは…

宣言解除を受けて、東京都は27日午前0時に休業要請を緩和した。東京・新橋の居酒屋の店長は…

長崎街道 松井康子店長:
客の間に仕切りを設けたり、遠く離して座ってもらうように考えている。最初はどなたも来なかったから、閉めようかなと思ったが、常連さんが景気づけに入って来てくれました。本当にありがたいです。

一方、未だ再開の見通しが立たないところも…

クラブNanae 唐沢菜々江ママ:
月に約1億あった売り上げが0ということで、 固定費がかかるばかりで、大変な状況です。

4月2日から休業が続く銀座のクラブは、6月中の営業再開を目指して準備を進めている。

営業を再開した際は、来店客にはテーブル1つ分を開けて座ってもらうなどの対策を考えているほか、来店客には、検温やチェックシートの記入、カラオケはマスクを着けたまま歌ってもらうようにするなど、徹底した感染防止策を行っていく方針だ。

クラブNanae 唐沢菜々江ママ:
他の地域は、以前と同じように開けてしまっている店が多いので、 銀座なりにガイドラインを守って、感染しないように開けたいなと思っています。

政策のエビデンスに基づく検証を

三田友梨佳キャスター:
ウィルスを押さえ込みながら経済活動を再開する、という難しい舵取りが国に求められていますが、どうご覧になりますか。

エコノミスト・崔真淑コメンテーター:
いま政府に求められているのは、とにかくスピードが早い政策だと思います。その際には「あの政策はよかった」「あの政策はよくなかった」といったものが出てくると思います。

いまスピード感をもって政策を打つのは大切なことだと思うのですが、あとで検証することが必要だと思います。その際に必要となるのが、EBPM(Evidence-Based Policy Making)=エビデンスに基づく検証・政策立案、科学的なエビデンスに基づく政策であるとか、検証を行うことで、未来に活かしていてく姿勢が必要だと思っています。

これは、アメリカやヨーロッパの政治にかなり浸透しつつある動きなんです。

三田友梨佳キャスター:
海外では具体的にどのように利用されているのでしょうか。

エコノミスト・崔真淑コメンテーター:
アメリカではエコポイント制度のような政策が過去に打たれたのですが、その時、政策が需要のパイを大きくしたのか、本当に影響があったのか効果を検証したところ、需要の先食いがおきただけで、需要のパイは増えていなかった。しかも、それがアメリカの政治にフィードバックされて次の政策に生かされた、ということがありました。

EBPMを行うことで、私たちの税金もより効率的・合理的に使われ、そして日本の政治、日本の信頼が、世界からも、国民からもより厚くなるのではないかと思っています。

三田友梨佳キャスター:
罰則のない自粛要請でここまでくることができたのは、国民一人一人の努力や医療従事者の献身的な対応、そして、行政の現場の方々のたくさんの苦労があってのことだと思います。ただ、国の方針として、その課程でどのような課題があって何が問題だったのか、第2波に備えるためにも、そして防ぐためにも客観的に検証して開示することが求められていると感じます。

(「Live News α」5月26日放送分)