岸田総理大臣は、16日の記者会見で、防衛費増額のために増税を行うことについて、「今を生きる我々の将来世代への責任と考えた」と述べた。
岸田首相は、2027年度以降の防衛力強化のため、「裏付けとなる毎年度約4兆円の安定した財源が不可欠だ」とした上で、「約4分の3は、歳出改革等の努力で賄う道筋ができた」と述べた。
残り4分の1の1兆円強を税で賄うことについて、「将来世代に先送りすることなく、今を生きる我々が将来世代への責任として対応すべきものと考えた」と述べた。さらに、「借金で賄うことが本当によいのか、自問自答を重ね、やはり安定的な財源で確保すべきであると考えた」と述べ、理解を求めた。
その上で岸田首相は、3つの税による財源確保の方針を説明した。
・法人税は、税率4~4.5%の新たな付加税を課し、中小企業への配慮から約2400万円の控除を設ける。
・所得税は、所得税額の2.1%の復興特別所得税を1%引き下げるとともに、課税期間を延長し、減額分に相当する税率1%の新たな付加税を創設する。
・たばこ税は、1本3円相当の引上げを段階的に実施する。
そして、「開始時期等の詳細については、さらに与党でも議論を続けて、来年決定することとなる」と述べた。
さらに、議論の時間が短すぎるとの批判を念頭に、「別に今年決定しなくてもいいじゃないかとの意見ももらった。しかし、将来国民の皆さんに負担をしていただくことが明らかであるにもかかわらず、それを今年示さないことは、説明責任を果たしたことにはならない、誠実に率直に示ししたいと判断した」と強調した。