ワールドカップで世界から称賛された日本人サポーターによるスタジアムのごみ拾い。早朝の新潟県、長岡駅前では幼なじみ3人で始めたごみ拾いが8年以上にわたって続いている。

3人から始まった「ごみ拾い」 広がる

10月1日、空が明るくなり始めた早朝の長岡駅前に集まった人たち。午前6時に始まったのは、駅周辺に落ちているごみを拾う清掃活動。

長岡駅前(新潟県)
長岡駅前(新潟県)
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大森政尚さん:
毎月1日にごみ拾いをしている

8年ほど前から毎月1日の朝6時に、長岡駅前を中心に行われるごみ拾い。今年46歳の3人組が始めた。

ごみ拾いを始めた幼なじみ3人組
ごみ拾いを始めた幼なじみ3人組

佐藤浩敬さん:
長岡花火の翌日に地元の子どもたちが掃除をしているのを見て、大人が楽しんだ後片付けを子どもたちにさせるのはどうなのかなと思った。僕らも月1回ならやれるんじゃないかと

大森政尚さん:
一人だと「もう、いいや」となるけど、仲間たちがいると続く

木工会社を経営する大森政尚さんと美容室を経営する佐藤浩敬さん。そして、高校の教頭を務める今井基也さんは小学校からの幼なじみだ。

佐藤浩敬さん:
SNSとか新型コロナ禍で直接会わないことが増えてきた。月1回でも顔を合わせるというのは、すごくいいことだと思う

今井基也さん:
一生の仲間というのは多くないが、そんな仲間が生徒にも、この学校でできたら幸せになると思う

「気持ちよく1カ月を始められるように」と、毎月1日の朝6時から30分ほど行われるごみ拾いには賛同する仲間が徐々に増えている。

賛同者:
「良いことをしている」という感じがする

賛同者:
ごみを拾うというより、みんなと会えるという部分で楽しさもある

賛同者:
街を掃除して、心もきれいになり、とても気分がいい

仲間を増やし、8年間続けてきたごみ拾いだが、街にごみがなかった日はない。

大森政尚さん:
捨てるかぎり拾う。「ポイ捨てするよりも、今度は拾うほうに来てね」と思う

その輪は地域を超えて広がり、見附市、そして長岡市栃尾地区でも。長岡駅前でのごみ拾いに参加していた成松直樹さんは、心と体の健康と共に地域をきれいにする取り組みを自分の暮らす栃尾地区でも広めたいと考え、同じ日・同じ時間にごみ拾いを行うことに。

成松直樹さん:
毎月1日の朝は長岡の街中や与板でも一緒にごみ拾いをしていると思うと、続けられたり、励みになる

楽しみながら活動「100回目」に

そして、12月1日。まだ暗い長岡駅前に創設メンバーの1人、大森さんがやって来た。この日は特別な朝なのだとか。

大森政尚さん:
100回目ということで。まだ誰もいないけど、来るかな…

8年間、新型コロナウイルスの感染拡大で1回だけ中止にしたごみ拾い活動は、この朝で100回目を迎えた。

佐藤浩敬さん:
毎月、ただ単純に仲間と会いながらごみを拾っていただけなので、気付いたら100回目という感じ

まだ暗い午前6時、ごみ拾いが始まった。この取り組みをはじめた幼なじみ3人で長岡の街中を歩くと、100回目の記念日もごみは落ちていた。

佐藤浩敬さん:
端に捨てているので、多少申し訳ないという気持ちはあると思う。あと、もう一歩の気持ちで街のきれいさは変わると思う

3人に「落ちているごみがなくなったらどうしますか?」と聞いてみると…

大森政尚さん:
また何か違うことを考える

佐藤浩敬さん:
また面白いことを考えて一緒にやる

今井基也さん:
自分たちで楽しんでいるけど、それが何かの役に立てばいい

長岡の同じ学び舎を卒業した3人は、長岡で別々の仕事をしながらも、地域への思いは同じ。そして仲間入りした賛同者も。

賛同者:
私たちのあとの世代に汚れた世の中を手渡したくない

100回目のごみ拾い
100回目のごみ拾い

特別で、いつもどおりのごみ拾いが終われば…

大森さん・佐藤さん・今井さん:
これから仕事

ごみ拾いを終え、仕事に向かう3人
ごみ拾いを終え、仕事に向かう3人

空が明るくなり、きれいになった街の一日がこの日も始まった。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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