富士スピードウェイがある静岡県小山町で、公道などでタイムを競う「ラリー」が初めて開催された。住民が沿道で声援を送り、参加者からも「富士山が見え応援も温かい」と好評だった。町は“モータースポーツの聖地”をめざしている。
入門者向けの「ラリーチャレンジ」
2022年10月23日、小山町で富士スピードウェイをメイン会場に公道も走る「ラリーチェンジ」が開催された。ラリーチャレンジは一般の参加者が楽しめる入門者向けのラリー競技として、トヨタ自動車が全国各地で開催している。

2022年も北海道・宮城県・長野県・広島県・佐賀県など12カ所で開かれ、小山町もそのひとつだ。小山町でラリーが開かれるのは初めてだ。

開会式では、自らもラリーに参加するトヨタ自動車の豊田章夫社長があいさつした。

トヨタ自動車・豊田章夫社長:
ぜひともきょう、この富士山の素晴らしい景色の中、皆さんがここで大きな花を咲かせていただきたいと思います
「カラフルな車がいっぱい」 公道で住民が応援
小山町の公道で初めて開催された今回のラリー。
公道を使うといっても、全速走行できるのは一般車両の進入が制限された郊外の区間だけだ。

全速走行区間ではない公道では、交通ルールに従って走行する。
地元の住民をはじめ大勢の観客が沿道に集まって応援し、歓声を上げてレースを盛り上げた。

住民:
楽しいですね。なかなか田舎だから、こういうことないからね

別の住民:
カラフルな車がいっぱい走って楽しかった。いろいろな車が走って
富士山麓のコースは参加者にも好評

レースには全国から90台のラリーカーが参加し、参加者は富士山麓でのラリーを満喫していた。

レースの参加者:
一番がまずこの場所。富士山を見ながら街をゆっくり移動して、お客様がみんな旗を振りながら応援してくれて空気がすごく温かい。それに空気もおいしくて、本当に気持ちのいいラリーだなという印象です
町は観光客増加を期待

“モータースポーツの聖地”を目指す小山町は、ラリーを通じて大勢の人が町を訪れ、その魅力を感じてくれることを期待している。

小山町・池谷晴一町長:
小山町の魅力“モータースポーツの聖地”として魅力を高めていく、全世界・全国の皆さんに小山町を知ってもらう良い機会と思っています
聖地づくりに企業も協力
この日はラリーだけでなく、自動車やモータースポーツを楽しむさまざまなイベントも開催された。車の販売店も協力している。

トヨタカローラ静岡・堀章弘 社長:
こういう機会に子供に車に触れてモータースポーツを知ってもらい地域全体に広げていけば、我々の考える地域貢献につながる

トヨタユナイテッド静岡・桝谷安城 社長:
車を好きになってもらって将来販売店で働きたいとか、エンジニアになりたいと思う方々がたくさん増えることを期待しています
地域の魅力を感じたり、参加者同士が交流を深めたりできるのも、ラリーを開催するねらいの1つだ。

主催した「TOYOTA GAZOO Racing」・佐藤恒治プレジデント:
モビリティーとして我々が地域社会に何ができるか、そこは大きなテーマです。我々が無理やり押し付けるのではなくて、地域の皆さんに合った形を一緒に考えて一緒に育てていく、そういう場になっていくと良いと思います
トヨタ自動車は、小山町のスピードウェイにホテルを併設したり、自動車の博物館を設けたりしている。

モータースポーツの聖地へ。
企業と行政、そして住民の協力が大きな後押しとなっていることは間違いない。
(テレビ静岡)