学校再開の地域も。休校している学校との教育格差が不安

5月14日にも緊急事態宣言の一部解除が検討される中、各地で学校が再開している。子どもたちから喜びの声が上がる一方、休校が続く地域では、授業の遅れや格差への心配が広がっている。

長野県飯山市では、マスク着用や手洗いを徹底し、小中学校を5月11日から再開。今週は短縮授業だが、来週18日から通常に近い形での学校生活を再開する予定。

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沖縄県石垣市では、4月28日以降感染者が確認されていない。そこで約1か月ぶりの学校再開となった。

こうした中、問題となっているのが、学校が再開された地域と休校が続く地域の教育格差。

5月末までの都立高校などの休校が決まっている東京都。
5月11日も新たに15人の感染が確認された。20人を下回るのは実に42日ぶりだという。

休校中の現場の対策として、オンライン授業や学習プリントの配布

休校が続く都立白鴎高校では、4月7日から、誰もいない教室に巨大なスクリーンを置き、オンラインで授業を行っている。
しかし、こうしたオンライン授業を行うためには、学校側と生徒側双方でパソコン端末や通信環境が必要となる。

そのため、オンライン授業の準備が間に合わない学校では、プリントを使う独自の工夫で休校期間を乗り切ろうとしていた。

千葉県勝浦市の勝浦中学校では、今も休校が続いている。廊下や教室からは生徒の姿が消える中、慌ただしさを見せていたのは職員室。先生たちはせっせと封筒へ切手を貼り、その封筒にプリントを詰めていく。これは休校中の生徒たちへの物。

勝浦市立勝浦中学校 岡安和彦校長:
中学校9教科分の学習をそれぞれ学習プリントにまとめ、週に1回家庭へ郵送をさせていただいています。

勝浦中学校では週に1回、課題や学年便りなどを全校生徒307人全員の家庭へ郵送。学習の機会を確保していた。

オンライン授業を行う学校がある中、なぜプリントでの学習を選んだのか?

勝浦市立勝浦中学校 岡安和彦校長:
ITを使った取り組みももちろん検討はしたが、平等性を確保するためには家庭のITの環境により、子どもたちが不公平があってはいけない。

生徒から返送された課題は添削して、次の課題と一緒に郵送。この時、先生の顔写真とメッセージも同封する。

課題をしっかりやっていて素晴らしい。
まだがまんが続くけれど、今できることを考えて一緒にのりこえよう。

生徒と先生が顔を合わせたのは、新学期が始まってから3日ほど。写真入りのメッセージは、生徒との絆を深める工夫でもあった。
この取り組みは生徒同士のつながりを深めることにも、つながっているという。

勝浦市立勝浦中学校2年生 高梨帆南さん:
これはクラスのみんなに一言書いたメッセージです。連絡が取れない友達もいるんですけど、こういうの見るとみんな元気だなと思います。

教育格差問題への取り組み。緊急事態宣言は解除されるのか?

教育格差をなくそうとする現場の取り組み。しかし、根本的な解決には緊急事態宣言の解除が必要だ。
この解除の基準をめぐり5月11日、国会ではー

西村経済再生相:
13の特定警戒都道府県において新規感染者の数などを著しく改善している都道府県は解除が視野に入ってくるものと考えられる。

5月末を待たずに緊急事態宣言を解除する可能性に言及する、注目の発言があった。

(「Live News it!」5月11日放送分より)