千葉県・君津市の日本製鉄の工場から、有害物質が川に流れ出た問題で、日本製鉄が、水質分析結果について、高い測定値が出ていたにもかかわらず、千葉県に報告していなかったことが分かった。千葉県が、午後2時から記者会見を行い、明らかにした。千葉県は、きょう午後から、事業所に対する立ち入り検査を行っているという。
この問題は、先月、工場の東京湾に面した排水口付近から、基準値を超えるシアンなどの有害物質が検出されていたもので、6月にも、別の排水口から、川に着色水が流れ出て、シアンなどが検出されていた。
千葉県によると、着色水とシアンが流出した後に、日本製鉄では、自主的に水質の分析を実施し、千葉県に報告していたとのこと。しかし、報告した値よりも高い測定結果が出ていたにもかかわらず、それを千葉県には伝えていなかったという。
また、千葉県によると、日本製鉄では、2017年から19年にかけて5回に渡って、排水基準の超過があったにもかかわらず、それを記録せず、別の日に改めて調べた際に、基準内に収まった結果だけを千葉県などに報告していたことも分かったという。測定結果を記録・保存していなかった点について、法令違反の可能性もあるとのこと。
さらに、地元の自治体などとの間で、排出する水質の基準(協定値)が取り決められているが、日本製鉄は、過去3年間で、延べ8回に渡って、この協定値の超過があったにもかかわらず、再分析をして、協定値を満たす値のみを千葉県などに報告していたという。