ガラス割られ…休業中の飲食店を狙う窃盗事件

緊急事態宣言による休業や営業時間の短縮を余儀なくされている多くの飲食店。
緊急事態宣言の延長で、さらなる窮地に追い込まれるばかりでなく、犯罪被害に遭うケースも起きている。

窃盗の被害に遭った福岡市内の飲食店で撮られた写真。
出入口の引き戸のガラスが割られ、内側から鍵が開けられていた。

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被害店の店長:
ここに金庫を入れてるんですけど。ここの500円玉と、下に紙幣を入れていたんですけど、全部盗られているような感じですね

福岡市博多区にあるこの居酒屋は、営業を自粛していた4月22日、レジや金庫の現金約20万円が盗まれた。
店を開けることができず、売り上げゼロが続く中、さらなる痛手を受けることになった。

被害店の店長:
(店を)閉めている以上は利益を生まないので、赤の状態からのマイナスなので、腹立たしい部分はありますね

犯罪防げ!自警団がネオンが消えた中州を見回る

「コロナ休業」につけ込んだ犯罪被害を防ごうと、九州随一のネオンが消えた福岡市の中洲では、飲食店のオーナーなどが自警団を結成している。

参加者:
照らして中をのぞいてみたり、こんな感じで人影がないとか気をつけて見ている

警察とも連携して、夜の中洲を見回る自警団。
発起人の井上倫清さんは、ラーメン店の店主だ。

井上倫清さん:
暗いとどうしても犯罪が起きやすいし、自分たちが回ることで抑止になれば

当初は1人だけだった自警団の活動も、今では賛同者が10人ほどに増え、連日 路地裏や灯りがない通りの店を中心に見回っている。

井上倫清さん:
中洲が好きだからやっている。この街を愛して、この街を守りたい

突然届く、高額融資をうたう「特別貸付」の案内状

休業中の店を狙っているのは、窃盗犯だけではない。
店を閉め、収入が閉ざされた中洲のスナックに1件のFAXが届いたのは、4月上旬のことだった。

スナック経営者:
私の会社名が記載された書類なんですが…これですね

わざわざ名指しで送られてきたのは「特別貸付」の案内状。
2,000万円の融資が可能だとうたっている。

こうした案内が届くのは初めてのことで、経営者の女性は不審に思い放置していたという。

スナック経営者:
2,000万円融資できるみたいなことでしたね

ーー普通あり得る?

スナック経営者:
ありえないと思います

本当に2,000万円の融資が受けられるのか、記された番号に電話をかけてみた。

呼び出し音はするものの、応答はない。
その後も時間を置いて数回電話をかけたが、相手につながることはなかった。

消費者問題にくわしい専門家に問題の書面を見てもらうと、すぐに不自然な点が見つかった。

黒木和彰弁護士:
一番おかしいのは、貸金業の登録番号がない。実際に融資になる可能性はほとんどない

送られてきた書面には、貸金業を営む際に必要な登録番号がなく、黒木弁護士は違法業者の疑いがあると指摘する。

うっかり電話番号や年商などを相手に知らせてしまうと、個人情報が違法業者の間に知れ渡り、保証金詐欺の被害に遭ったり、無用な投資をさせられたりする恐れもあるそうだ。

黒木和彰弁護士:
いわゆる“カモリスト”に載せて、ほかのいろいろな悪質な勧誘をさせる可能性が極めて高い。危険なFAXです

コロナ休業で困窮する店や経営者につけ込む、悪質で卑劣な手口。
さらなる痛手やトラブルを避けるため、警察は、十分な注意と、焦っているときほど より冷静な行動を呼びかけている。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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