私がお伝えしたいのは「進む鉄道の運賃制度見直し」です。

鉄道運賃をめぐり、国交省の有識者委員会は時間帯や曜日によって運賃を変動させる仕組みなどの導入を検討しています。混雑時に高く、すいている時間帯に安くすれば、混雑の緩和やコスト削減につながると期待される一方、値上げへの懸念もあります。

ポイントはこちら「鉄道運賃の変動制、どう利用するのがお得?」注目です。

【注目ポイント・記者解説】

国交省の有識者委員会では、在宅勤務などコロナ禍でライフスタイルが大きく変わったことや人口の減少など、世の中の変化に対応して鉄道の運賃制度を見直す必要があるとの議論が進められてきました。

変動運賃制が導入されれば時間に余裕がある人は利用者が少なく運賃の安い時間帯に利用することができます。

また、ピーク時には多数の車両や人員を用意する必要がなくなり鉄道会社にとってもコスト削減のメリットがあります。

こうした運賃制度についてはJR東日本が朝の混雑を緩和するため日中の時間帯に安くなる新たな定期券の導入を目指すなど国の制度変更に先駆けて事業者の取り組みも進んでいます。

一方、変動運賃制には課題もあります。

利用者の多い時間帯に高い運賃が設定されれば、通勤や通学など時間の融通がきかない人たちにとっては実質的な値上げになる可能性もあります。

また、時間帯や曜日、季節によって運賃が変わるため混乱を招かないよう国交省や鉄道会社には丁寧な説明と情報の周知が求められます。

(フジテレビ社会部・井上文那)

井上文那
井上文那

フジテレビ報道局社会部記者。国土交通省、海上保安庁、観光庁担当。
記者を5年以上経験し、これまでに経済部記者として流通・物流・エンタメ業界、経産省、環境省、消費者庁、復興庁などを担当。