暑さだけでなく、物価も厳しい「値上げの夏」となり、学校給食にも影響が及んでいる。ボリュームや栄養面が落ちないように食材や調理法を工夫するなど、現場では厳しいやりくりが強いられている。

油の値段が1.5倍…工夫し揚げパン「風」で対応

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武雄市栄養教諭・森真由美さん:
今のところは努力をしているが限界があるのかな 値上がりが続くようだったら色々な献立ができなくなるので

毎日110人分の給食を作っている佐賀県武雄市内の小学校。食品の値上がりの影響は、学校給食にも出ている。

武雄市栄養教諭・森真由美さん:
一番値上がりが大きかったのが油。揚げ物の回数を減らしています。週に2回から1回に減らすなど工夫をしています。2021年は(油18ℓで)4,000円だったのが6,000円に上がっている。痛いですね。1.5倍になっているので

ある日の献立を見ると、ココア揚げパン「風」と書かれていた。油で揚げずに、焼いたパンを提供しているという。

武雄市の小学校の給食費は、1食あたり約250円。食用油だけでなく小麦や魚、調味料などさまざまな食品が少しずつ値上がりし、1食あたりの費用は8%増えている。

限られた予算内で児童たちの栄養価を維持するため、あの手この手でメニューを工夫していた。

武雄市栄養教諭・森真由美さん:
ハンバーグを作る時には肉と豆腐を合わせて使うとか、きょうは豚の角煮だが、豚肉と高野豆腐を使ってボリュームをもたせている。栄養面は落ちないように工夫している。肉だったら牛肉を豚肉になど、たんぱく質をとれるように工夫しています

自治体から給食に対して補助金も…現場の苦悩続く

こうした状況を受け自治体では、給食の費用を補助し、価格高騰を乗り切ろうとする動きが出ている。武雄市では食材費として、1食あたり小学校で20円・中学校で23円を補助することを決めた。

ただ、現場では、食品の価格がさらに上がるか見通せない中、食材の選択肢に影響が出ているのが現状だ。

武雄市栄養教諭・森真由美さん:
季節感のある献立に制限があるのかなと。年に1回はスイカを食べさせたいとかいう思いがあるが厳しい状態なので、こちらが理想としている献立が出せるように早くなってほしい

(サガテレビ)

サガテレビ
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