新型コロナの影響…屋台100軒が休業
肩を寄せ合いながら味わう大将自慢の料理…
福岡に根ざした文化、屋台。
市民のみならず、観光客からも愛される福岡のシンボルの1つだが、いま 存続の危機に瀕している。
午後7時半の天神。
いつもならずらっと並んでいる屋台が、全く見当たらない。

福岡市の天神や中洲にある屋台100軒ほどのうち、営業しているのは現在0軒。
県からの要請で、アルコールの提供は午後7時まで、営業時間も午後8時までと限られる中、屋台は午後5時からしか準備ができず、休業を余儀なくされているのが現状だ。
3週間休業で収入ゼロ…店主は「四方八方塞がり」
屋台の店主・迎敬之さん:
ここにうちの屋台を置いてるんですよ。4月7日からずっと出さないで、ここに置きっぱなしですね
福岡市の天神で、20年以上屋台を営業してきた迎敬之さん。
屋台を閉めてもう3週間以上。もちろんその間の収入はない。
屋台の店主・迎敬之さん:
テイクアウトが屋台はできないので。テイクアウトができれば、それで生き延びていく手段もあるんですけど、(規定で)それもできない。やっぱりちょっともう本当に、四方八方塞がってますね
クラウドファンディングで支援金500万円!反響の大きさに希望も…
屋台が窮地に追い込まれる中、迎さんなど天神地区の屋台組合のメンバーが活路を見いだしたのがこれだ。
インターネット上で支援金を呼びかけるクラウドファンディング、その名も「SAVE THE YATAI」。
1000円から寄付が可能で、支援者は金額に応じて屋台で使える割引券や、オリジナルグッズを受け取れる仕組みになっている。
まずは500万円を目標としたが、なんと開始から1週間で達成した。
集まった支援金は、参加する40軒近くの屋台に分配されることになっていて、生活費や屋台の駐車場代などに充てられる。
予想以上のスピードと反響の大きさに、屋台組合の組合長は希望を抱いている。
福岡市移動飲食業組合・西田芳信組合長:
おかげで盛り上がって。気持ちも暗い中、盛り上がるし、画像を見てるだけでも数字が伸びていくのがうれしくて。ありがたいですね。
再開できて、お客さんが来てくれたときは、今まで以上にお客さんと触れ合って、楽しくいい思い出を作っていきたいですね

屋台の店主・迎敬之さん:
福岡に屋台の火を、天神地区になくしたくないっていうのが精一杯の思いなので。今後に向けても、収束後 来てくれるお客さんに対して自分たちが何をやれるのか考えています
利用客にどんな恩返しができるのか。
迎さんをはじめとする屋台の店主たちは、営業が再開できる日を待ち望んでいる。
博多の文化の灯を何とか消さないよう、支援の呼びかけは続く…
(テレビ西日本)