学校でのいじめ対策について協議する文部科学省の有識者会議が、きのう、オンラインで開催された。SNSを使った「ネットいじめ」が深刻化し、子ども同士の関係が、外からは「見えにくく」なる中、いかに、いじめを早期に発見するかが、喫緊の課題となっている。
いじめの調査や対策を徹底するよう定めた「いじめ防止対策推進法」について、文科省が、去年行ったアンケートでは、各都道府県・政令指定都市の教育委員会のうち、およそ4割が「学校現場への浸透が不十分」と答えた。
こうした状況を打開するため、教員向けの研修を行うとの対応策が浮上しているが、きのうの会議では、「学校の先生は忙しくて時間がとれない」「先生がやらなければいけないことが増えている」など教員の”負担増”を懸念する声が聞かれた。
一方で、現役の校長を務める委員は、いじめに対する教員の意識は高いとした上で、「目に見えていじめとわかる時は(問題は)かなり大きくなっている。地道な作業からいじめの発覚は見つかっていく。早期発見のために時間がほしい。生徒と向き合う時間がもっと欲しい。」と訴えた。
名古屋大学大学院の教授らが去年11月に行った調査では、残業時間に当たる「総時間外業務」が長い教員ほど、「いじめを早期発見できているか不安」と答えたとのこと。いじめ対策の面からも、教員の働き方改革が進むことが求められている。