疲労を考慮して12日に出場選手登録を抹消されていたロッテ佐々木朗希(20)が22日の西武戦(ZOZO)で交流戦明けの初先発に挑む。

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プロ野球記録に並ぶ1試合19奪三振、史上最年少での完全試合という歴史的な快挙を達成。Yahoo!検索ランキング第1位にも輝くなど今最も注目される怪物の魔球の秘密に迫る。

「真っすぐに見える」低めのフォーク

今季11試合に登板し5勝(リーグ3位タイ)、防御率1.70(リーグ3位)、奪三振数はオリックスのエース山本由伸の77個を抑え、断トツの105個と圧倒的な数字を残している佐々木。この三振の山にSNSでは「フォークの落差がエグイ」「フォークは極上」「150キロのフォークwww」「これは打てん」などとフォークに関する投稿がずらりと並ぶ。さらに今季低めに投げたフォークの空振り率は51%というデータも。2球に1球は空振りを奪っている計算となる。

これには昨季の打点王・楽天の島内宏明(32)もお手上げだという。

「真っすぐに見えちゃう低めのフォーク。速く鋭く、人にない軌道のフォークです」

魔球フォークの握りを披露

この魔球の真相を探るべく本人を直撃すると、投手にとっては企業秘密ともいえるフォークの握りを特別に明かしてくれた。

「今の方が感覚的にはちょっと指を開いて強く握っている感じです」

今季から指を大きく開く握りに変えていたという佐々木は、その理由をこう挙げる。

「プロに入ってフォークが落ちなくなってしまって、新しくした方がフォークらしく落差も出てキレも出ているかなと思います」

魔球フォークを野村弘樹が解説

指を開く新たな握りで落差が増したというフォーク。ではこの握りは具体的にどんな影響をもたらしているのか?11日に佐々木の投球を現地で取材した野球解説者の野村弘樹はこう解説する。

「指の間隔を広げることによってメリットは、広けば広くほど落差が出ます。フォークボールは回転をかけない球種なので、落ちる角度が大きくなります。指の間隔が浅くなればなるほど、ストレートに近くなるので、落ちづらくなります。間隔を開けば開くほど回転がなくなるので、落差が出ます」

昨季より指の幅が深い今季の方がボールに回転がかかりにくいため、空気抵抗を受けやすく落差が大きくなると野村さんはいう。

新事実!フォークは意図的に投げ分け

さらにこのフォークを深掘りするべく佐々木に斬り込んだ。試合を見てみると、時にスライダーのような変化を見せる時もあれば、時にシュートの軌道を描きながら落ちるフォークも。果たしてこれは意図して投げ分けているのか?

ーー意識的に落ちる方向を変えている?

「そうですね。コースによってカウントによって変えています。前で離したり後ろで離したりするので、その分多少シュートしたりスライドしたりはあります」

リリースのタイミングをずらして投げ分けている驚きの答えが。その中で明かしてくれた極意、「前で離す、後ろで離す」とは?野村さんはこう解説する。

「これ本当に難しくて…前で離すとスライダーのような変化に、後ろで離すというのは手前で投げるのでシュートのような変化になります」

リリースポイントを前にすると、スライダーのような軌道に。

一方、リリースポイントを後ろにすると手の向きが変わりシュートしながら落ちる軌道に。リリースポイントを意図的に変え、フォークの変化を自由自在に操っていた。

「自分のいい感覚があるので、そこを信じながら頼りながら投げています」

佐々木朗希のフォークのヒミツ。「新たな握り」と「リリースポイント」での投げ分け。こうして唯一無二の魔球が生まれていた。

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