クラシエフーズの1973年発売のロングセラーお菓子「スーパーソーダガム」。噛むと口の中で広がる炭酸のようなシュワシュワ感を楽しんだ人も多いのではないだろうか。

この「スーパーソーダガム」をはじめ、味違いの「スーパーコーラガム」「ライフガード🄬ガム」の販売が3月31日に終了した。

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お知らせ本日をもちまして、スーパーソーダガム　スーパーコーラガム　ライフガード🄬ガムの当社からの販売が終了となります。
皆様に愛されてきた商品です。
長年のご愛顧ありがとうございました

クラシエフーズの公式Twitterアカウント（@Kracie_foods）が、販売終了当日の3月31日に、このように投稿したところ、「ガムの中で一番好きでした」「今世紀1番のショック」「思い出が無くなる感じがして悲しい…」といった多くの嘆く声が寄せられた。

中には、翌日がエイプリルフールだったことから「エイプリルフールだから冗談だよな？」「嘘だよね？エイプリルフールだからだよね？ね？」と終了を疑う声も寄せられ、投稿には7万1000のいいねが付く話題となっている（4月6日時点）。

販売終了の決定は約1年前

思い出の品がなくなってしまうのは悲しい。だが、そもそもなぜ販売終了することになったのだろうか？コメントを見ると、Twitterユーザーの多くの人が当日または翌日に知ったようだが、事前告知はされていたのだろうか？

クラシエフーズ・首都圏支店長の吉田順さんに話を聞いた。

ーー販売終了となる3つの商品について改めて教えて。

スーパーソーダガム・スーパーコーラガム
噛むとお口でシュワッとはじける刺激的な炭酸を体感できるソーダ味とコーラ味のガムです。子どもたちの成長に必要なカルシウムを配合しました。食べ応えのあるビッグサイズのガムが5粒入りです。ガムの中に、めちゃシュワ！はじけるパウダーが入っております。ガムの包み紙にある「なぞなぞ遊び」は全部で90問です。

ライフガード🄬ガム
LIFEGUARD🄬飲料の発泡感と風味を再現したビッグサイズガムです。噛むとセンターのパウダーが発泡して、炭酸飲料を飲んだ瞬間のような疑似体験と、ガリッとした食感が楽しめます。LIFEGUARD🄬飲料と連動したパッケージデザインはフレームで炎を再現しています。


ーーいつ頃から販売終了は決まっていたの？

販売終了の決定は約1年前です。商売のサイクルから卸流通様、小売様には3～4カ月前のご案内としています。但し、直接にお客様に対して製品の終了をお知らせすることはございません。今回につきましては、長年のご愛顧を頂いた感謝の気持ちを込めて、SNSでご案内をさせて頂きました。

ーーでは、一般への事前告知はなかったということ？

上記回答の通り、直接お客様に販売をしておらず（通販などの様に）、卸店様、小売店様を通じて販売をしていますので、厳密にはお客様が買えなくなる日は分かりません。その意味では事前告知は行いませんし、行うと買い占め等流通の混乱をきたすことになります。


ーーなぜ販売終了することになったの？

・原料の高騰による、製品収益性の低下。
・製造ラインの老朽化と工場製造設備の入れ替え。
・ガム需要縮小、市場減少によるポートフォリオの組み替え。の3つの理由があります。

今回販売終了となった3品の出荷金額（売上）は、10年前の2012年度に比べると、2021年度には3分の1になっております。


ーーもう商品は出回っていないの？

当社からの出荷は終了し、現在店頭にある分で最後になります。

ショックから怒ってしまう人も「普段では考えられないほどのお声を…」

ーー販売終了が決まった時の社内の反応はどうだった？

ガムの商売が売上・利益ともに年々厳しくなってきているので、終売決定の事実よりも次を担う商品への期待が大きかったと思います。


ーー販売終了にあたり、会社に何か影響はあった？

ご案内したばかりなので、問合せや発注などは4月1日時点ではまだなく、売上への影響はございません。但し、長年販売をしていた商品で、お客様からの終売を惜しむ声を多く頂いています。市場で買えなくなったタイミングで徐々に問合せなどが来るのではと予想されます。


ーー販売終了を知らせたTwitter投稿が話題となっているが、どう感じている？

小さい頃のガムの思い出を語ってくれる方や、悲しみつつも感謝を述べてくれる方、ショックから怒ってしまう方など、普段では考えられないほどの量のお声をいただき、それほどまでにこの商品が広く愛されていたことを知りました。事前にこういったお声を拾い、社内で認知することが出来ていれば、また違った結果になっていたのかもしれません。

ーー最後に改めて、販売終了となったことへの思いを教えて。

お得意先様に終売をご案内したときに残念そうなコメントを戴いたこと、SNSでのお客様の終売を惜しがる多数のご意見、また高校生の息子に“一番好きなガムだったのに”と寂しそうにされたこと等、多くの方々に愛された商品であったのだなあと改めて感じています。

当社に就職して、子供の頃にいつも食べていたスーパーガム（当時はソーダガム）を営業として売ることになったときの感動は今でも覚えています。時は移り、販売する商品も徐々に変わっていきましたが、あの“シュワシュワ！感”を子供たちに楽しんで欲しいという思いを持って、この会社で菓子の営業として30年余りを過ごしてきたといっても過言ではありません。今回販売終了という現実を受け止めねばならないことについては寂寥感しか残りませんが、それでもスーパーガムの思い出は泡のように消えてなくなることはありません。

なお、話題となったことで、今後復活の予定などはあるのか聞いたところ「残念ながら、ガムの復活は無いと思います」といった回答だった。

店頭にある分はまだ手に入れられる可能性はある。商品自体はいずれ販売終了でなくなってしまうが、子どもの頃に食べたあの味や食感は、思い出に残り続けるのではないだろうか。
 

プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。