在宅勤務できない人の、心の声を代弁する“電車広告”が話題

新型コロナウイルス感染拡大の影響でテレワークを推奨する企業が増えている。そのような中で今、在宅勤務をしたくてもできない人の、心の声を代弁したかのような“電車広告”が話題になっている。

それがこちらだ。

株式会社SmartHR 提供

テレワークが始まった。
ハンコを押すために出社した。

真っ白な背景に、縦書きで大きく書かれているこのキャッチコピー。

その横には、小さな文字で「本当に必要な仕事って何だろう。時間をかけるべき仕事って何だろう」と問いかけている。

通勤中の電車内などでこの広告を見かけて、ドキッとした人もいたことだろう。Twitterでも話題となっており、「これは一本取られた!」「時流にのってるな」「秀逸!」といった声が投稿されている。

さらにこの広告、実は「ハンコ」だけではなく、「書類を提出」しなければならないという別バージョンも存在する。こちらもキャッチコピーにインパクトがあるデザインとなっている。

株式会社SmartHR 提供

テレワークが始まった。
書類提出のために出社した。

広告を手掛けたのは、企業のペーパーレス化を支えるクラウド人事労務ソフトサービスを提供する、株式会社SmartHR。東京メトロの都内主要16駅やJR首都圏全線の電車内、JR新宿駅の駅ナカ中央通路などに、4月13日〜19日まで掲示されていた。

テレワーク推奨が叫ばれているこのタイミングで掲示したこの広告は、とてもインパクトがあったのは間違いないだろう。しかし、そもそも誰にむけたメッセージなのだろうか?担当者に話を聞いてみた。

新型コロナでテレワークに注目が集まり広告を制作

ーーこの広告を制作した経緯は?

制作を開始した時期は、テレワークに注目が集まり始めた頃でした。その際に「ハンコ」や「紙」がテレワーク導入を阻む要因であることは様々な調査結果から認識しており、SmartHRの活用でそのような業務を少しでも多くの企業から減らしていただきたいと思い、制作いたしました。


ーーアイデアはどのようなきっかけから?

きっかけは特になく日々触れている情報を元に検討を重ねました。


ーーこだわった部分を教えて

より多くの方にSmartHRを知っていただくため、印象に残りやすいコピーとデザインを目指しました。


ーーSNSにて多く反響があったが、どう感じている?

ありがたいと思っております。「共感した」「ハッとした」「一本とられた」というポジティブな意見も多くいただいています。ひとりでも多くの方にSmartHRの存在を知っていただき、非合理な労働が減ることを願います。


広告制作準備の開始は3月上旬とのことで、ちょうど政府がまとめる新型コロナウイルスの対応策として、テレワークの導入に取り組む中小企業への支援投入するなど、テレワーク推奨に大企業だけでなく国全体が動き始めた時期でもある。

SNSでの良好な反響、や「導入を検討したい」という数多くの問い合わせがあり、サービスサイトへのアクセスも増加したという。

株式会社SmartHR 提供

ーー広告で伝えたいメッセージは?

テレワーク推奨の中でも、多くの方が押印や書類提出のために出社しています。「ハンコ」や「紙」が当たり前の非合理な業務を見直すことで、少しでも多くの企業(従業員)がテレワークを選択できる世の中になってほしいと思います。


ーーこの広告は、特にどういう人に見てもらいたい?

なかなかペーパーレス化が進まず、実際に書類やハンコ等の業務が多くある方々に、SmartHRという選択肢もあるということを知っていただければ幸いです。


新型コロナウイルスに感染するリスクを負いながらも、どうしても出社しなければならない人がいる。その現状に対して株式会社SmartHRは……

株式会社SmartHR 提供

「煩雑な業務に忙殺」非合理な労働を減らすための一助に

ーー広告のような会社の申請状況に関してどう思う?

社会保険・雇用保険に関する手続きは年間1.6億回行われていますが、電子申請の普及率は13%に留まっています。このことから分かるように、多くの企業ではまだ紙をベースにした業務が行われており、出社の必要性が発生することはもちろん、手書き、提出、郵送などの煩雑な業務に忙殺されています。今回、リモートワークが推奨されたことで、このことを改めて実感しました。


ーー今後の活動方針や目標は?

クラウド人事労務ソフト「SmartHR」をより多くの方にご利用いただくことで、企業からアナログで煩雑な業務をなくし、従業員の生産性向上を後押していきたいと考えています。
 

株式会社SmartHR 提供


SmartHRでは、雇用契約や入社手続き・年末調整といった、様々な労務管理のペーパーレス化を実現したきたという。「自社サービスをより多くの方にご利用いただくことで、非合理な労働を減らす一助になれればと考えております。」と担当者は話す。 なお、この広告の第2弾は予定していないそうだ。

全ての企業がテレワークにというのは確かに難しいし、技術的にもいまだに及ばない部分はあるのかもしれない。その中でも、SmartHRの今できる最善を提供しようとする意思が、今回の攻めた広告に表れたのかもしれない。

4月20日の時点で、10000人を超えた国内の新型コロナウイルス感染者。他人事と思わず自分事と思い、できる限りの対応を是非ともとってもらいたい。

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