東京メトロの啓発ポスターが話題

「痛勤(つうきん)」という言葉があるほど、混雑する都心の電車事情…

今年は新型コロナウイルスの感染予防でテレワークなどに移行する企業が増えていることから、それほどでもないようだが、その一方で東京メトロの混雑緩和を訴えるポスターが話題となっている。

それがこちらだ。

提供:東京メトロ
この記事の画像(5枚)

「他人とズレてるくらいで、ちょうどいいと思うよ。そういう時代になったし。」

「揉みくちゃにされて、毎日大変でした。」


ポスターでこの意味深なコメントともにポーズを決めているのは、お笑い芸人のダンディ坂野さんと小島よしおさん。そして中央を飾っているのは「ピークを知る男」というキャッチコピーだ。

「ピークを知る男」二人が語る言葉が意味深い

実はこのポスターは、東京メトロが行う「オフピークプロジェクト」の一環だ。

プロジェクトは、ピーク時間帯に混雑する東西線と駅構内が混雑する豊洲駅(有楽町線)における混雑緩和を目的に「混雑時間帯前後の時差出勤・通学の推進」「ラッシュ時のホームから改札階へ向かう流動の分散化を図る」ために実施している。混雑緩和のキャンペーン自体は2007年からスタートしているが、今回のプロジェクトは4月1日から始まった。

なおプロジェクトに登録して、ピークを避けた時間帯に改札を通ると、時間帯ごとに設定されたPASMOのポイントがもらえる。貯まったポイントはPASMOにチャージすることができるので、きっぷの購入や電子マネーとして使えることとなる。
 

提供:東京メトロ

しかし、やはり気になるのが「ピークを知る男」という文言。

ダンディ坂野さんは「ゲッツ!」、小島よしおさんは「そんなの関係ねぇ!」のギャグで2000年代に一世を風靡。そんなふたりが「オフピーク」を呼びかけるのは、なんとも攻めた企画ではないだろうか。

このポスターについては、Twitterで「ダンディの言葉がなにげ胸に刺さる」「東西線のポスターが秀逸」「ニヤケてしまう。こういう粋なポスターいいね」という投稿もあり、話題にもなっている。

「オフピーク」を呼びかけるには“うってつけのふたり”なのかも知れないが、どのような経緯でふたりを選んだのだろうか?また、ポスターの反響は?気になる疑問を東京メトロの担当者に聞いてみた。
 

「一度ピークを経験され、オフピークの現在も輝いている」

――ポスターのアイデアはどこから着想した?

以前のキャンペーンは、キャンペーン内容そのものを周知していましたが、お客様に訴求しきれていないと感じていました。

そこで視点を変えて、「オフピーク」を明るく、そして分かりやすくお客様に訴求することを検討する中で、2019年のダンディ坂野さんにご出演いただいた「ピークじゃないくらいがちょうどいい」シリーズを展開しました。
 

提供:東京メトロ「2019年ポスター」

――今回、ダンディ坂野さんと小島よしおさんを起用したのはなぜ?

芸人として、一度ピークを経験され「オフピーク」の現在も輝いているダンディ坂野さんと小島よしおさんに、明るく「オフピーク」の良さについて伝えていただきたくオファーさせていただきました。
 

撮影の舞台裏「おふたりの真剣な眼差しは格好良かった」

――撮影当日のふたりの様子を教えて?

撮影はインタビュー形式で行っていたのですが、オフピーク芸人の皆様の話が大変面白く、私達も吹き出してしまうような楽しい撮影でした。その一方で、ダンディ坂野さんについては「他人とズレてるくらいが、ちょうどいい」、小島よしおさんについては「ピーク当日は、揉みくちゃにされていて大変だったので、今のゆとりが幸せだ」と価値観を話されてる際に、おふたりの真剣な眼差しは格好良かったです。

――ネットで話題になったことの感想を教えて

担当者として、お客様に見ていただき、クスッと笑っていただくことを狙っていますので、大変嬉しく思っています。


――反響は感じている?

ポスターについての反響と比例して、アクセスも増加しています。社会的に「オフピーク通勤・通学」が注目されていますので、この機会に、オフピークプロジェクトに参加していただければと思っています。オフピーク芸人の皆様と通勤・通学のオフピークをかけた周知は「一瞬考えて、意味がわかった」等、社内外で大変好評です。
 

提供:東京メトロ

今後はダンディ坂野さんを軸にオフピーク芸人の皆さんが出演

――今後の展開を教えて?

小島よしおさんは6月末までご出演いただく予定で、その後もダンディ坂野さんを軸に「オフピーク芸人」の皆さんにご出演いただく予定ですので、お楽しみにしていただければと思います。


――どのようなポスターを今後は制作したい?

今回の「ピークを知る男」シリーズが大変ご好評いただきましたので、2020年度中にさらに別のオフピーク芸人の方にご出演いただく予定があります。「明るく」そして「渋い」ポスターを制作していきたいと思っています。


ポスターの「他人とズレてるくらいで、ちょうどいい」などは、本人の言葉から生まれたものだった。2019年度の広告の反響が大きかったため、2020年度はダンディ坂野さんの路線を活かしつつ、新たなオフピーク芸人が続々と出演することになる。さらにパワーアップした「ピークを知る男」シリーズが展開されることだろう。今後も東京メトロのポスターに注目してほしい。

新型コロナウイルスの感染拡大に対し、「そんなの関係ねぇ!」とは思わず、元気に「ゲッツ!」と気兼ねなく友人や家族と集まる日が来るよう、今は人混みを避けることが大事だろう。

【関連記事】
鬼をボコボコにしたのは誰だっけ…桃太郎の地下鉄マナー啓発ポスターに総ツッコミ

銀座線・渋谷駅が新駅舎に…ところが新たな混雑発生&乗り換え時間が倍増! 今後の対策は?