外出自粛で増える「家の時間」どう過ごす?

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京や大阪など7都府県に「緊急事態宣言」が出されてから1週間。これまで以上に外出の自粛が求められるようになり、家で過ごす時間が増えた人の中には「何をしていいかわからない…」という人も多いのではないだろうか。

そんな中、マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが「家での過ごし方に関する調査」を実施し、その結果を発表した。

調査は、埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県の1都3県に在住する20歳~69歳の男女1000人を対象に、3月28、29日の2日間、インターネットリサーチで行われた。

外出の自粛要請を受けて「強制的に制限された行動」のトップ5

外出の自粛要請を受けて「強制的に制限された行動」として多かったのは、「旅行(30.2%)」「ショッピング(29.7%)」「ひとり・少人数での外食(27.6%)」

男女別で見ると、女性はショッピング(39.4%)、男性は旅行(26.8%)を、特に「制限された行動」として挙げていた。

画像:クロス・マーケティング
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一方、「任意で制限した行動」「特にない(34.8%)」との回答が多く、「ひとり・少人数での外食「大人数での外食」が続く結果となった。

画像:クロス・マーケティング
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外出制限で「プラスになったこと」「マイナスになったこと」も調査

また、「外出制限によりプラスになったこと」として挙げられたのが、「今までよりお金を使わなくなった(37.4%)」「のんびりすることができた(34.6%)」「家族や同居者との時間が増えた(24.5%)」。

反対に「外出制限によりマイナスになったこと」には「運動不足になった(49.8%)」「ストレスがたまった(46.2%)」「将来的な不安が生まれた・大きくなった(29.5%)」が挙がり、特に「運動不足になった」と回答した人は全体の半数近くという結果となった。

画像:クロス・マーケティング
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そんな中で「家で行う時間が増えたもの」として圧倒的な支持を集めたのが、「テレビを見る(50.2%)」ことという結果に。次いで「家の掃除や片付け(27.7%)」「料理を作る(27.6%)」が続いた。

そして「今後やってみたい家での過ごし方」のトップに挙がったのが、「筋トレやストレッチ(21.5%)」。次いで「家の掃除や片付け(18.6%)」「読書をする(17.2%)」という結果になった。

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外出自粛となったことで、ついついテレビを見る時間が増えてしまい、運動不足に…。今こそ体を動かしたい!思っている人が多いという、今回の調査結果。

FNNでは、休校や休園が続く子どもたちのストレス解消に「トランポリン」の売れ行きが伸びているという記事を紹介した。家の中でのんびりと過ごす時間が増えたことをプラスととらえる一方で、やはりどうしても思うように体を動かせないイライラが募り、もやもやとしたものを抱えている人が多いのだろう。
 

(関連記事:ゴムひも、手袋、トランポリンも? 新型コロナの余波で意外なものが売上急増中

ついついこうなりがち?(イメージ)
ついついこうなりがち?(イメージ)

この調査は緊急事態宣言が出される以前に行われたものだが、今後はさらに外出の自粛を求められる可能性もある。さらに「家で過ごす時間」が増え、イライラが募ってしまうことも…。

今後、外出自粛の生活とどのように向き合っていけばいいのか、クロス・マーケティングにお話を聞いてみた。

「家での時間を楽しむことが、危機を乗り越えるために必要」

――今回の調査をするきっかけは?

新型コロナウイルスの影響により、外出自粛が広く呼びかけられていることを受け、仕事のリモートワーク化や、お店や施設での臨時休業・営業時間の短縮が行われています。それにより、今までよりも家で過ごす時間が増えた人が多くなったため、実際にどのような過ごし方をしているのか、家で長時間過ごすことにどんな意識を持っているのかなどの実態を把握するために調査を実施しました。


――緊急事態宣言を受けて、今後「家でしたいこと」は変わってくる?

変化は出ると思います。家で過ごす時間を快適にするために新しくやってみたいことを見つける方や、緊急事態宣言が出たことで、宣言が出る前よりも家で過ごす時間が増えた人がどんな過ごし方をしているかなどで変わっていくのではと考えています。


今回の調査の中では、「外出制限によって新しくできた趣味や好きなこと」についても聞いている。その中の一例を見てみると、年齢や性別に左右されず人気だった「読書」「映画鑑賞」の他、

・副業(男性/20代)
・英語学習(女性/20代)
・投資などを勉強している(女性/50代)


など、新しく学習面を開拓する人も見られた。


――長引く外出自粛の生活で、「家で過ごす時間」が増えることにどう向き合うべき?

外出制限によって、家族との時間が増えたり家でできる趣味を新しく見つけたりなど、家での過ごし方を工夫している一方、ストレスを感じている人も多いことが調査結果からわかりました。

新型コロナウイルスの影響により、おこもり生活はこれからも続くと思われるなかで、家で過ごす時間をどう楽しめるかもを考えるのも、この危機を乗り越えるために必要なことではないでしょうか。

今までしていたことを更に深くこだわってみたり、新しいことにチャレンジしてみたり、ゆっくり自分を癒す時間を取って普段の疲れを解消するなど、それぞれ自分に合った方法で向き合っていくのも良いのではないかと思います。

新しい趣味を見つけるきっかけにもなる?(イメージ)
新しい趣味を見つけるきっかけにもなる?(イメージ)

「今後、筋トレやストレッチをやってみたい」という回答からは、体を動かせないイライラがたまっているようにも感じられたが、その反面、「家でないとじっくり取り組めないこと」を始めてみる人も多く、外出できない時間は趣味をさらに深く掘り下げたり、普段できない学習に取り組めるというメリットも見えてきた。

FNNの調査によると、緊急事態宣言を受け「これまで以上に外出を控える」と答えた人は実に89.5%となり、「控えない」と回答した人は7.7%にとどまっている。(4月11・12日、全国18歳以上の男女1,050人を対象とした電話調査)

多くの人が外出自粛の重要性を感じている今こそ、さらなる感染拡大のための“耐え時”なのは間違いないだろう。大切な時期を、イライラとともに耐えるのではなく、少しでも楽しく、前向きに過ごすヒントとしてほしい。
 

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プライムオンライン編集部
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