「佐渡島の金山」が世界文化遺産に推薦されるなど、いま大注目の新潟・佐渡島。豊かな自然と文化が息づく島を古地図とともに探検する。

古地図で佐渡探検
古地図で佐渡探検
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一緒に旅をしてくれるのは、地図先案内人の小林政能さん。持ってきたのは、まるで絵巻のような地図だ。

地図先案内人・小林政能さん
地図先案内人・小林政能さん

これは佐渡汽船の前身「佐渡商船会社」の航路案内で、鳥の視点で表現する「鳥瞰図(ちょうかんず)」と呼ばれる地図。

佐渡商船会社が作った航路案内
佐渡商船会社が作った航路案内

「東洋一」と言われた巨大鉱場の今

まず向かったのは、佐渡金銀山のおひざもと相川地区。

相川の町並み
相川の町並み

江戸時代には佐渡奉行所が置かれ、島の政治経済の中心地として栄えた。地図でもひときわ大きく、細かく書かれている。

古地図で見る相川地区
古地図で見る相川地区

飛田厚史アナウンサー:
相川と言えば金山。金が出てくるところですね。

このエリアを案内してくれるのは、佐渡市 世界遺産推進課の宇佐美亮さん。

佐渡市 世界遺産推進課 宇佐美亮さん
佐渡市 世界遺産推進課 宇佐美亮さん

まずは大人気スポット、北沢浮遊選鉱場跡へ。政府が世界文化遺産に推薦した「佐渡島の金山」に関連する遺構の1つだ。

「あの天空の城みたいだ」と人気を集めるスポットに
「あの天空の城みたいだ」と人気を集めるスポットに

朽ちた巨大建造物にツタがびっしり絡まる姿は、映画に出てくる「あの天空の城みたいだ」と人気を集めるスポットになっている。

佐渡市 世界遺産推進課 宇佐美亮さん:
ここはかつて大きな鉱場があって、全体に屋根がかかった建物があった。

こちらの写真が、大きな屋根の建物が稼働していた頃の選鉱場。鉱石を処理し金銀を集める重要な施設で、完成時は「東洋一」とうたわれる巨大鉱場だった。

昭和10年代の北沢浮遊選鉱場
昭和10年代の北沢浮遊選鉱場

佐渡市 世界遺産推進課 宇佐美亮さん:
地図に茶色い建物があるが、これがいま横に残っている火力発電所の跡。

古地図で見る北沢浮遊選鉱場周辺
古地図で見る北沢浮遊選鉱場周辺

地図先案内人・小林政能さん:
見比べるとたまらない。この煙は火力発電所で燃やしていた時の煙?

佐渡市 世界遺産推進課 宇佐美亮さん:
そうですね。

衝撃の事実…20年前までは別の施設だった

写真撮影に夢中な小林さんだが、ここである疑問が…。これほど人々を魅了する施設が、なぜ最近まで忘れ去られていたのだろうか。

宇佐美さんから衝撃の事実が告げられる。

佐渡市 世界遺産推進課 宇佐美亮さん:
ゴルフの練習場です。打ちっぱなし。

ゴルフ場時代の北沢浮遊選鉱場跡
ゴルフ場時代の北沢浮遊選鉱場跡

北沢浮遊選鉱場跡は20年ほど前までゴルフ場だった。当時の写真を見ると、確かに練習場が整備されている。

佐渡市 世界遺産推進課 宇佐美亮さん:
建物がネットなどで隠れていたため、地元の人も知っているが、この風景は見られなかった。

繁栄を築いた相川地区 メインストリートを歩く

続いて、江戸時代に大いに栄えた相川の街へ。かつての繁華街・京町通りを歩く。

京町通り
京町通り

佐渡市 世界遺産推進課 宇佐美亮さん:
このあたりが、金山と佐渡奉行所を結ぶメインストリート。最盛期には4~5万人が相川に住んでいたと言われている。

江戸時代前期の相川は当時、指折りの大都市。福岡や仙台など大藩の城下町とほぼ同じ人口規模だった。

江戸時代前期の相川
江戸時代前期の相川

これがその当時の相川を描いた絵。斜面びっしりと家が並ぶ様がわかる。

佐渡市 世界遺産推進課 宇佐美亮さん:
西陣織を扱う店があったので「京町」と言っていたという由来がある。

現在、集会所として利用されているこちらの建物は、もともと三菱の社宅だった。

かつては三菱の社宅(現在は集会所)
かつては三菱の社宅(現在は集会所)

飛田厚史アナウンサー:
本当だ。スリーダイヤモンドがついている。

金を求め…手掘りで山を真っ二つに  

いよいよ相川、そして「佐渡島の金山」のシンボルとも言える、道遊の割戸へ。

古地図で見る道遊の割戸
古地図で見る道遊の割戸

金山が発見されてすぐに採掘がはじまった道遊の割戸。頂上からずっと金を掘り続けたため割れている。巨大な露頭掘りの跡だ。

地図先案内人・小林政能さん:
ダイナマイトがない時代ですよね。

佐渡市 世界遺産推進課 宇佐美亮さん:
江戸時代の絵図でも山が割れている。確実に人の手だけで掘った。

江戸時代に描かれた道遊の割戸
江戸時代に描かれた道遊の割戸

割戸の裏に回ってみると…。

裏側から見た道遊の割戸
裏側から見た道遊の割戸

佐渡市 世界遺産推進課 宇佐美亮さん:
昔の人が掘った穴。「狸穴(たぬきあな)」と呼んでいる。江戸時代の人が人力で鉱脈を探して掘った穴。

人力で掘った通称・狸穴
人力で掘った通称・狸穴

飛田厚史アナウンサー:
崖もいいところですよ。ここを掘ったんですか。

佐渡市 世界遺産推進課 宇佐美亮さん:
実際は地面の中を掘っていって突き出ちゃった。おそらく山の中は、江戸時代の人が掘ったトンネルがアリの巣のように張られている。

新潟県や佐渡市が2023年の世界文化遺産登録を目指す「佐渡島の金山」。その周辺では、かつての繁栄の名残を今に残すスポットが数多く点在している。

たくさんの魅力が詰まった佐渡に足を運んでみてはどうだろうか。

(NST新潟総合テレビ)

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NST新潟総合テレビ
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