「佐渡島の金山」が世界文化遺産に推薦されるなど、いま大注目の新潟・佐渡島。豊かな自然と文化が息づく島を古地図とともに探検する。
この記事の画像(16枚)”鳥の視点で表現”した昭和初期の地図
一緒に旅をしてくれるのは、地図先案内人の小林政能さん。持ってきたのは、まるで絵巻のような地図だ。
これは佐渡汽船の前身「佐渡商船会社」が作った航路案内で、鳥の視点で表現する「鳥瞰図(ちょうかんず)」と呼ばれる地図。
作者は吉田初三郎。浮世絵のような大胆な構図から「大正広重(たいしょう・ひろしげ)」と呼ばれた。佐渡の名所や自然が生き生きと描かれている。
地図先案内人・小林政能さん:
これは私のコレクションを複製したもの。たまらなく好きで、これを見ているだけで一晩中お酒が飲める。
佐渡島の玄関口「両津」 地名の由来は…
地図をこよなく愛す小林さんの案内のもと、両津港の目の前へ。両津は新潟市と佐渡島を結ぶ「佐渡汽船」のターミナルがある佐渡の玄関口だ。
その両津港とつながっている加茂湖はカキの養殖で有名。新潟県で最大、全国の離島でも一番大きな湖となっている。
地図先案内人・小林政能さん:
このあたりはなぜ「両津」という地名になったと思う?
飛田厚史アナウンサー:
両方…?「津」は水ですか?
地図先案内人・小林政能さん:
津は港のこと。この地域にはもともと「夷」という港と「湊」という港の街があった。これを一緒にしたので、2つの港という意味で「両津」という地名になった。
飛田厚史アナウンサー:
2つの港があったんですね。いまや1つの港ですが。
地図先案内人・小林政能さん:
もともとは完全に陸でつながっていた。それを人が切った。
飛田厚史アナウンサー:
まさにここを切ったから、海水を湖に流すことができる。それによって加茂湖でカキを養殖している。佐渡の人すごい!
佐渡島は今も拡大? ロマンあふれる小木半島
今度は佐渡の南側、小木半島へ。 初三郎の地図にも景勝地が多く書き込まれているエリアだ。
沢崎海岸を案内してくれるのは、佐渡市教育委員会ジオパーク推進室の相田満久さん。
海岸の黒い岩の正体は溶岩。沢崎は火山活動で隆起した海岸だ。
ジオパーク推進室 相田満久さん:
こういう広い地形を千畳敷と言うのですが「万畳敷」なんて言い方もする。
地図先案内人・小林政能さん:
岩場がもっと海側に伸びていくかもしれない?
ジオパーク推進室 相田満久さん:
その可能性は十分にある。佐渡は今でも隆起を続けている。佐渡の大地はどんどん広がっている。
飛田厚史アナウンサー:
それはロマンがある。
さらに、ここは知る人ぞ知る絶景スポット。潮が満ちて、まるで鏡のようになった夕焼けの万畳敷を見ることができる。
金山以外にも、たくさんの魅力が詰まっている佐渡島。
世界文化遺産候補となり、地元の人は今後さらに多くの人でにぎわう事を願っている。
(NST新潟総合テレビ)