冬の味覚として人気のカキ小屋。新型コロナの影響で客足が落ちていたが、佐賀県外からも多くの客が訪れている。

そして今、有明海にしか生息しない品種に注目が集まっている。大雨でも収量が増えて味も良く、新たな特産品にしようと研究が始まっている。

「待ってました!」各地から多くの客

2月にかけて旬を迎えるカキ。鉄や亜鉛、ビタミンなど多くの栄養素を含んでいて、「海のミルク」とも呼ばれている。

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佐賀県内でカキ養殖が盛んな地域の1つが太良町で、約20人がカキを養殖している。

長島百花記者:
太良町のカキ小屋です。たくさんのお客さんでにぎわっています

多くの客が訪れていたカキ小屋
多くの客が訪れていたカキ小屋

カキ小屋「勇栄丸」は、2021年10月から今シーズンの営業をスタートした。

長島百花記者:
今シーズン最初のカキをいただきます! 身がぷりっぷりで、おいしいです

甘みがあり身もプリプリのカキ
甘みがあり身もプリプリのカキ

新型コロナの影響で2020年は客の数が大きく減少した。一方、2021年は県外からも多くの人が足を運んでいる。

訪れた客:
久留米から来ました。冬、食べたくなりますね

訪れた客:
きょうは福岡から来ました。

――太良のカキはどうですか?

訪れた客:
最っ強です!

訪れた客:
待っていました。食べたすぎて、朝早くから来ました

訪れた客:
めっちゃ、うまいっす。2020年は来られなかったので、目いっぱい楽しもうかなと思っています

カキの出来は上々 小ぶりでも甘みはたっぷり

客足は多いときで1日に約150人。店側もひとまず安堵しているが、今後の感染状況に気をもんでいる。

勇栄丸・大鋸勇哉さん:
2020年も今の時期はそんなに(感染者が)出ていなくて、年末年始にかけて出たじゃないですか。それがちょっと心配ですよね

太良町の「竹崎カキ」などで有名なマガキは、港から船で5分ほどの養殖場で育てられている。

海に浮かぶいかだには、カキがついた6メートルほどのロープがあった。海中を見てみると、ごつごつとした塊がある。この塊の一つ一つにカキが20個から30個ほど集まっている。

港から船で5分ほどの養殖場で育てられているカキ
港から船で5分ほどの養殖場で育てられているカキ

勇栄丸・大鋸勇哉さん:
2021年は例年より、ちょっと数が少ないですね。カキ殻のサイズも小さいですね。いつまでも暖かく、夏場の大雨による影響じゃないかと言われています

大雨の影響を受けたものの、味は例年通り甘みがあり、身入りも良いという。

勇栄丸・大鋸勇哉さん:
どうしてもコロナでお客さんが少なかったので。今シーズンは、なんとかにぎわいが戻ってきたらいいですね

成長が早くおいしい「スミノエガキ」に注目

一方で、一般的に出回るマガキよりも味が良いといわれ、知る人ぞ知る、別の品種の研究も進んでいる。

有明水産振興センター・増田裕二さん:
やっぱり、おいしいというところがあると思います。一度食べた人は大好きになると思います

そのカキの名は「スミノエガキ」。日本では有明海にしか生息していない。マガキと比べると殻の表面がつるっとしていて、平たいのが特徴だ。

有明海にしか生息していないという「スミノエガキ」
有明海にしか生息していないという「スミノエガキ」

研究が始まったのは2020年の豪雨がきっかけだった。2021年3月、太良町の有明海でスミノエガキが大量発生したという。

通常、大雨が降ると海の塩分濃度が下がるため、2枚貝の多くは成長が遅くなったり、死んでしまったりする。しかし、スミノエガキは豪雨のあと、むしろ大量発生した。生息に適した塩分濃度が低いのが要因だという。

有明水産振興センター・増田裕二さん:
気候変動にも対応しやすい種ということで、今後、我々としては養殖を進めていかないといけないと

さらに、スミノエガキは成長のスピードが早いのも特徴だ。マガキの約2倍の速度で大きくなるため、より早く収穫できる。

味が良く、成長のスピードも早いスミノエガキ。かつては干潟で養殖されていた時期もあったが、安定した収量が確保できず徐々に衰退したという。

有明水産振興センター・増田裕二さん:
今は貝殻に着生した幼生、稚貝を灯台の根本付近に設置して、稚貝の成長や生き残りを確認する作業を行っています

現段階では、低塩分に生息しやすいこと以外はわからないことが多く、生態の解明などを進めている。

有明水産振興センター・増田裕二さん:
今後は人為的に種付けしたものが、計画的に生産・出荷されるような体制ができるといいなと思っています

(サガテレビ)