年々巧妙化する振り込め詐欺の撲滅へ、人工知能(AI)を活用する。
高度な画像解析技術を活用したAIカメラが、ATMを操作する人の動作をチェック。詐欺の可能性を知らせる新たなシステムを佐賀銀行が導入した。

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佐賀銀行本店の店外ATMに導入された、人工知能AIが組み込まれたカメラ。
年々巧妙化する振り込め詐欺を未然に防ごうというもの。
記者が携帯電話を使いながらATMを操作してみると…

右手に携帯電話を持ちATMを操作すると…
右手に携帯電話を持ちATMを操作すると…

(音声):
携帯電話をかけながらの操作は ご遠慮いただきますようお願いします

中溝孝紀記者:
このように警告音が流れ、詐欺の可能性を知らせてくれます

佐賀銀行 営業統括本部・高祖浩副本部長:
行内とかATMコーナーでお客様が詐欺に遭っているということは、社会問題として、銀行としては放っておけない。県警と一緒になって撲滅に取り組むことは、地方銀行の使命として必要なのではないか

電話中の人を“体のある部分”で見分ける

全国的に相次ぐ還付金詐欺。
犯人と通話しながら指示に従ってATMを操作させられ、現金をだまし取られるもの。

佐賀銀行は、AIが監視するATMを実現するため、システム開発会社のオプティムと連携し、約2年間の実証実験を進めてきた。
AIカメラには、オプティムの画像解析技術が活用されている。

電話をしている人を見分けるには…
電話をしている人を見分けるには…

電話をしている人を見分けるために注目したのは、体のある部分だった。

オプティム・バンクテクノロジーズ田中善典さん:
実際に電話をしている“ひじの角度”などをAIに学習させまして、学習させたデータを基に、実際に電話をかけているお客様に対してアラートを出す

“広告”導入で企業が防犯システムを支援

また、AIカメラとともに新たに設置されたのが、デジタルサイネージ。
広告を流せるようにすることで、県内企業に防犯システムを支援してもらいたい考え。

企業が防犯システムを支援する仕組み
企業が防犯システムを支援する仕組み

佐賀銀行取締役・営業統括本部 高祖浩副本部長:
今から他の支店のATMにも導入して、もっとどんどん広げていって、とにかく佐賀県内で振り込め詐欺をなくすという目的を持ってやっていきたいと思っている

警察によると、県内では2020年にATMから現金を振り込ませる詐欺は発生しなかった一方、2021年は11月末時点で4件発生し、被害金額は約727万円にのぼっている。

AIカメラを導入したATMは県内では初めてで、履歴として残る画像は万が一事件が発生した場合、警察の捜査にも役立てられるという。

(サガテレビ)

サガテレビ
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