サナダムシの仲間 感染経路は不明

宮崎大学が、体内で増殖し死に至らしめるという謎に包まれた寄生虫「芽殖孤虫(がしょくこちゅう)」のゲノムを、世界で初めて解読した。

その生態とは、どのようなものなのか…。

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宮崎大学医学部 丸山治彦教授:
芽殖孤虫は、サナダムシの仲間ということはわかっています。けれども、それ以外はほとんど正体のわからない謎の寄生虫で、これまで確実だろうと思われる患者は、世界で7例しか出ていません

そのうち5例は日本で確認されていて、人の体に寄生すると皮膚にニキビのような症状があらわれ、体内で増殖。内臓などが侵され、全ての患者が亡くなっている。

これまでに摘出された芽殖孤虫は全て幼虫で、成虫の姿は確認されておらず、感染経路は不明。

これらの謎に対し、宮崎大学は国立科学博物館、東京慈恵会医科大学とともに、ゲノム解読という最新のテクノロジーを使って挑んだ。

マウスに移植し生きた状態で受け継ぎ…薬の開発に期待

宮崎大学では、芽殖孤虫のDNAを抽出し、遺伝子情報を調べて他の生物と比較。その結果、これまでの種類とは全く違うサナダムシで、機能不明のタンパク質を分泌していることなどがわかった。

宮崎大学医学部 丸山治彦教授:
一番不思議だったのが、親(成虫)になるための遺伝子がいくつか欠けていたんですよね。親にならない、幼虫のままの寄生虫であると結論付けました

今回、世界的にもまれな芽殖孤虫のゲノムが解読できた背景には…。

宮崎大学医学部 丸山治彦教授:
ある時、国立科学博物館の倉持先生が「俺、芽殖持っているよ」と言われて。ものすごく衝撃だった

実は40年前、ベネズエラで確認された患者の芽殖孤虫がマウスに移植され、さまざまな研究者によって生きた状態で受け継がれてきたのだ。

宮崎大学医学部 丸山治彦教授:
最初はベネズエラ、次に東京大学医科学研究所の小島先生という人がもらって、次に国立科学博物館にそれを分けて…というように、ずっと何十年も引き継がれてきた。それを使って、我々はやっと、今のテクノロジーで謎を解くことができた

今回、芽殖孤虫の正体が明らかになったことで、今後は他の種類のサナダムシの治療にも役立てられることが期待される。

宮崎大学医学部 丸山治彦教授:
今回、ゲノムが完全に解読されましたので、弱点が見つかるかもしれない。そこを狙って開発すれば、サナダムシ(の幼虫)に効く薬ができるかもしれない。

宮崎大学医学部 丸山治彦教授:
日本だと患者さんの数は少ないですけど、世界に目を広げれば1億人に届く患者さんがいらっしゃるので、そのあたりを頑張るのが医学部としての道なのかなと思います

(テレビ宮崎)

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