屋外で遊ぶ機会が多くなるこの時期、増加するのがハチに刺される被害だ。場合によっては命にかかわることも…。どのように身を守ればよいのだろうか?

ハチの中でも大型で攻撃性の高いスズメバチ。その毒は様々な成分からなり、別名「毒のカクテル」とも。
刺されるとアナフィラキシーショックを起こしたり、最悪の場合、死に至ることもある。命を守るために必要なことを探った。
ハチの被害が7~9月に集中する理由
コロナ禍の夏。密を避け、屋外で家族だけで自然を満喫する人が増えている。この時期に注意しなければならないのが、スズメバチなどハチによる被害だ。

アウトドアを楽しむ人:
ハチが近くまできて怖かった
アウトドアを楽しむ人:
虫よけスプレーなどを持って行こうかと思う。スズメバチのようなハチがいたので
札幌市によると、毎年7~9月にかけ被害が集中し、中でも8月は20件以上に上ることも。

なぜ、この時期に集中するのか。 専門家に聞いた。
北海道ペストコントロール協会・高橋健一学術顧問:
この時期は、巣の中で来年に向け新女王や雄バチが育てられています。ハチにとって重要な時期で敏感になり、攻撃性も高まっています

夏は巣が最も発達する時期で、その中には約500~1000匹のスズメバチがいることもあるという。

「絶対に近づかず刺激を与えない」ことが大切
では、刺されないためには、どうしたらよいのだろうか?
北海道ペストコントロール協会・高橋健一学術顧問:
巣に絶対に近づかない。刺激を与えない。大声を出す、足音を立てる、集団でそばを通るのも刺激を与えてしまい、襲われる原因となります

ハチが攻撃的になる黒い色の服を避けることや、ハチを引き寄せる香水や整髪料を控えることも効果的だ。

もし刺されてしまったら?
それでも刺されてしまった場合は、どうすればよいのか。
北海道ペストコントロール協会・高橋健一学術顧問:
刺された場所を水などで冷やす。その上で、医師の診断を受けることが大切です

刺された場所を冷やすことで血管が収縮し、毒素が回りにくくなる。その上で病院に行くのが効果的だが、特に急を要するのは…。

北海道ペストコントロール協会・高橋健一学術顧問:
刺されたところ以外に発疹が出たり、吐き気や息苦しさを感じたりしたら危険。一種のアレルギー反応で、時として命にかかわる。早急に医師の診断を受けて下さい

木の枝や床下…ハチが巣を作る場所
北海道内での主なハチによる被害は次の通り。
・2010年8月:登山中に女性が刺され死亡(倶知安町)
・2015年9月:山菜採りで男性が刺され死亡(音更町)
・2017年9月:登山中に11人が刺され軽傷(札幌市中央区)

お盆の墓参りの際での被害も相次いでいて、8~9月は特に注意が必要な時期と言える。
では、どんな場所にハチの巣があるのだろうか。北海道ペストコントロール協会によると、木の枝や床下、笹ヤブに加え、墓に作られたケースもあったということだ。

キャンプやお墓参りの際は、くれぐれも注意してほしい。
(北海道文化放送)