「いや、終わってないんだ」事件を風化させたくない父親の思い…

3年半前の2018年1月、名古屋市名東区で当時中学1年の女子生徒が自殺した問題では、2021年7月、名古屋市の再調査委員会が当初の結論を覆し、一転「いじめはあった」と認定した。真相究明を訴えてきた父親が今の思いを語った。

父親の信太郎さん:
やっとということと、これまで私が言ってきたことが認めてもらえたよと。ここまで待たせたので、ごめんねと

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3年半前、長女・華子さん(当時13)を亡くした、名古屋市名東区の齋藤信太郎さん。

父親の信太郎さん:
青色が好きで、私はピンクを着せたいんだけど青がいいって。なんでなんだよって言うんだけど、そんな子でしたね

2018年1月5日、華子さんはソフトテニス部の合宿に行く朝、自宅マンションから自ら飛び降りて命を絶った。中学1年生の13歳。信太郎さんの転勤のため、大阪から名古屋に引っ越してきたばかりだった。

父親の信太郎さん:
なんでなんでなんで、どうしてなんだって一言を3年半繰り返してきただけで。亡くなるなんて全然思ってなかったし、どこでって学校しか思い当たらなくて

学校が生徒たちから集めたアンケートには、「力士と呼ばれていた」「無視されていたと聞いたことがある」など、いじめをうかがわせる内容が書かれていた。

しかし1年後、当初の第三者委員会は「いじめは認められない」と結論づけた。

父親の信太郎さん(2019年):
娘の目の前には、無限の可能性と輝かしい未来があったはずです。なぜこうも背を向けられるようなことをされなければならないのでしょうか

信太郎さんは十分な調査がなされていないとして市に再調査を求め、2020年3月から再調査委員会による調査が進められてきた。
そして7月…

再調査委の担当者:
部活動の練習において、無視されたことをいじめと認定しております

再調査委員会は、華子さんが部活動の練習中に他の部員に無視されたことなどがいじめにあたると認定。自殺はいじめに加え、クラスになじめなかったことなど、学校生活の様々な要因が重なって起こったとした。

また、当時の教育委員会や学校の対応について、調査がずさんでいじめの重大事態として扱うことを躊躇したと批判した。

Q.アンケートの段階で、なぜいじめを見抜けなかったのか?
再調査委の担当者:
いじめ認定に関わるような事実は、アンケートの記述の中にあった。十分な聞き取りというところで、明らかにできなかった

父親の信太郎さん:
(報告書に)隠蔽と捉えられてもしかたがないみたいなことを書いていましたけど、私たちは隠蔽だと思っている

信太郎さんは、学校がいじめを隠さずに対応する体制を作るよう、市に求めている。

父親の信太郎さん:
一番は終わってないよと。どんどん風化していっているので、昔の話みたいになっちゃっているので、いや終わってないんだと。同じ思いをしてほしくない、同じ思いをさせないためにはどうしたらいいか。子供が死なない世界を作りたい、ただそれだけです

(東海テレビ)

東海テレビ
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