東京オリンピックが7月23日から開幕する。
7月11日放送の「ジャンクSPORTS」(フジテレビ系)では、3時間SPを放送。「コストコ爆買い」や「イケア爆買い」では番組MCの浜田雅功さんが日本代表選手を爆買いで激励。「東京五輪まであと12日いよいよ始まるぞSP」ではメダル獲得の期待が高い4つの競技にフォーカスし、注目の選手を紹介した。
バドミントンは全種目で世界ランクトップ5入り
「東京五輪まであと12日いよいよ始まるぞSP」では、全33競技の中でメダル獲得の期待が特に高いバドミントン、卓球、柔道、飛び込みの4競技にフォーカス。注目アスリートの素顔や秘密に迫った。
この記事の画像(13枚)まずは、バドミントンから男子、女子シングルス、ダブルス、混合ダブルスの注目選手を紹介。
日本のエース・桃田賢斗選手は、高校時代から輝かしい成績を収め、その活躍は留まることを知らない。2018年の世界選手権で日本人男子初の金メダルを獲得。圧倒的な強さを見せつけ、日本男子史上初の世界ランク1位にのぼり詰めた。2018年9月以来、桃田選手は世界ランキング1位を堅守している。
リオオリンピックで日本女子シングル初の銅メダルを獲得した奥原希望選手と、ライバルでもある山口茜選手は、現在世界ランキング3位と5位に位置する。切磋琢磨してきた2人がともにメダル獲得を目指す。
女子ダブルスは“フクヒロ”ペアこと、福島由紀選手・廣田彩花選手が世界ランキング1位。“ナガマツ”ペアこと、永原和可那選手・松本麻佑選手が世界ランキング2位に位置している。
男子ダブルスでは、世界ランキング4位に遠藤大由選手・渡辺勇大選手、5位に園田啓悟選手・嘉村健士選手が。混合ダブルスでは渡辺選手と東野有紗選手が世界ランキング5位。
このランキングを見て、元バドミントン選手の潮田玲子さんは「全種目世界ランキングトップ5に入っているんです。ぶっちゃけ、7個(メダル)いけます」と期待を込めた。
その中でも注目は桃田選手で、彼は2019年は18大会中11大会で優勝。ロンドンオリンピックの女子ダブルスで銀メダルを獲得した藤井瑞希さんも「5勝以上するのは難しい」と桃田選手の実力を認める。
桃田選手の強さを潮田さんは「いろいろ理由はあるけど、あえて言うなら、ネット際のヘアピンショット」だと明かす。
ヘアピンとは相手側のネット際にヘアピンのような弾道で落とすショットのこと。
「みんなネットインを狙って打っているけど、それを高い精度でラリー中に出せるのはすごい」と潮田さんは話し、藤井さんも「来るのが分かっていても、決めきれない良いショット」と頷く。
そんな桃田選手にとってのライバルを潮田さんは「あえて言うなら、マレーシアのリー・ジージャ選手。世界ランキング8位なので、桃田選手の方が上ですが、今年行われた全英オープンの準々決勝で負けてしまった。しかもマレーシアは金メダルを獲ると報奨金が6000万円。力の入れ方がハンパない」と明かした。
リオオリンピックで、バドミントンで金メダルを獲った場合の各国の報奨金を比べると、1位はシンガポールの7530万円、2位はチャイニーズタイペイの6400万円、3位はマレーシアの6000万円、4位がインドネシアの3840万円で日本は500万円の20位。
ただし、東京オリンピックではバドミントン協会から1000万円の報奨金が出ることになっているという。
また桃田選手は、バルセロナオリンピック日本代表の陣内貴美子さんを“東京の母”と慕い、母の日には決まってプレゼントを贈るほどの仲だそう。そこで陣内さんに桃田選手の素顔を聞くと「バドミントンを離れるとおっちょこちょい」と話し、あるエピソードを明かした。
「昨年の12月に夫の金石(昭人)が誕生日で、還暦だったんです。で、『還暦のプレゼントを渡したい』と相談されたので、すし店で会うことを約束すると(当日に)『すみません!謝らなければいけないことが…』って言うんです。『プレゼントを忘れてきました』って。緻密なバドミントンに比べると大雑把な私生活」
そんな桃田選手から浜田さんにメッセージが送られ、「他のアスリートにプレゼントをしていると聞きました。僕もぜひプレゼントが欲しいので、東京オリンピックでメダルを獲ったあかつきには、“体育館”を買ってください。これからも全力で頑張るので応援よろしくお願いします」とおねだりした。
卓球王国・中国を破る日がきた?
続いては卓球。「日本卓球史上初の金メダル!?ついに中国を破る日がやってきた!」と、リオオリンピック銀メダリストの吉村真晴選手は「マジです!」と力説。
リオオリンピックでは男子団体銀メダル、女子団体銅メダルと男女ともにメダルを獲得。水谷隼選手がシングルスで銅メダルを獲得し、日本中が熱狂した。
そんな日本に立ちはだかる壁が最強卓球王国の中国。直近3大会の結果を見ても、中国が金メダルを独占しているが、その歴史は変わろうとしているという。
18歳にして日本不動のエースにのぼり詰めた男子シングルス・張本智和選手。2018年には国際大会で史上最年少優勝を果たし、世界ランキング3位に。
女子シングルスには石川佳純選手と、伊藤美誠選手の2人のエースが。石川選手は団体でロンドン、リオに続き3大会目の出場となり、悲願の金メダルを狙う。
現在世界ランキング2位の伊藤選手は、昨年のカタールオープンでリオオリンピック金メダリストの丁寧(中国)を相手に、圧巻のストレート勝ち。中国から最も警戒される存在になった。
張本選手に注目する吉村選手は「世界ランキング1位の樊振東選手(中国)も3位の馬龍選手(中国)も(張本選手は)勝ったことがあって、本当にこれはチャンスだと思っている」とメダル獲得に期待した。
彼のスゴさを吉村選手は「ディフェンス力が高い。中国選手は球の威力や、大事なところでミスをしないところが強いんですけど、張本選手はどれだけ打たれても、揺さぶられても返せるディフェンス力がある。打たれた中でチャンスがあるとすぐにカウンターをする、そこの判断もスゴい。最近ボクシングトレーニングもしているようで、体幹も強くなった」と明かした。
森薗美咲選手も「メンタル面でも強くて“チョレイ”や“ハリバウアー”を得点したときにやるんです。自分自身で奮い立たせるためにやっている」と語る。
しかし、普段は「寂しがり屋で、先輩のところにひょこひょこついて行く。趣味で言うと野球が好きで、卓球よりも好きかもしれない」とエースの素顔を吉村選手は話した。
一方の伊藤選手のスゴいところは、「ドロップショットの技術が世界一なところ」だと話す森薗選手。「卓球はリズム感が大切で、相手のリズムを崩すのが天才的。強く打てる球をあえて弱く打ったり、そういうのが長けている」と絶賛した。
吉村選手も「男子のボールでさえ簡単にドロップショットできちゃう。ボールタッチは天才的」と評価。
普段から仲良しだという石川選手の素顔を森薗選手は、「あと1点で勝負が決まるときに力んでしまうところを、絶対に外さないのが魅力。メンタルの強さです」とした。
そして今回から追加された新種目の混合ダブルスでは、水谷選手と伊藤選手がペアを組み出場。世界ランキング2位のペアが史上初の金メダルに挑む。
吉村選手も「ガチのガチで金メダルが獲れると思う。僕も石川選手と組んでいたんですけど、僕が大事だと思っているのは女子選手が主導権を握ること。このペアは伊藤選手が主導権を握っていて、『この時間から練習やるからよろしく~』って水谷さん10個くらい上なんですけど、『わかりました』って練習していて、これがすごく大事」とアピール。
森薗選手も「弟も伊藤選手と全日本でダブルス組んでいて、弟も『全部美誠に合わせる』って言ってました。その方がうまくいくのかな」と話した。
飛び込みにスーパー中学生が登場
14歳のスーパー中学生、玉井陸斗選手。普段はあどけない普通の学生だが、2019年に日本室内選手権に出場すると、いきなり優勝。この時12歳で最年少優勝の偉業を達成。同じ年の日本選手権にも出場し、優勝を果たし、中学1年生にして日本王者となった。
玉井選手が東京オリンピックで出場する高飛び込みは、10メートルの高さから飛び込む競技。入水時は時速50キロとも言われ、その衝撃は約1トン。一歩間違えれば大ケガの危険性もある。踏み切りから入水までの時間は2秒にも満たず、そんな短い時間の中でさまざまな技を披露し、競い合っている。
その中で玉井選手の武器は109C。2秒の間に前方に4回転半する大技で、玉井選手の109Cは世界でもトップクラスの完成度だという。この技を武器にメダルが期待されている。
そんな彼の強さを元飛び込み選手の馬淵優佳さんは「メンタルがすごく強い。10メートルを飛んだのが10歳。10歳の時に10メートルの高さから飛び降りて、それもすごいんですけど、今は4回転半できる。恐怖との戦いなので好奇心が強い人じゃないとできない」と明かした。
浜田さん自身も10メートルの高さを体験したことから、「飛び込み選手は誰かに弱みを握られていると思う。それくらいじゃないとあそこから落ちることができない」と、10メートルの高さで味わった“恐怖”を振り返る。
加えて「意識もすごく高い」ようで、2019年の全国中学校体育大会では優勝するが、入水時にしぶきがあがってしまうという“失敗”をしてしまった玉井選手。優勝後のインタビューでは、優勝したにも関わらず、完璧な飛び込みができなかったことから涙を流したほどだという。。
兄妹で金メダル獲得を狙う
最後は柔道。
“柔道好き”のはなわさんは、阿部一二三選手と妹・詩選手を挙げ、「面白いのが2人が試合をする日が同じ日。兄妹そろって金メダルを獲るのは、オリンピック125年の歴史の中で初めての快挙。その試合が7月25日」と熱弁する。
日本がオリンピックで最も多くの金メダルを獲得してきた競技が柔道。数々のスーパースターが生まれ、39個もの金メダルを築き上げてきた。
東京オリンピックでも金メダルラッシュが期待される中、最も注目されているのが兄妹同時金メダルだ。
しかし、オリンピック代表までの道のりは兄妹で明暗が別れた。詩選手は2019年の世界選手権で2連覇を果たし、対外国人選手無敗の45連勝を記録。2020年国際大会を制し、他の階級の選手らと共に東京オリンピックの代表に内定。
兄・一二三選手は世界選手権を連覇したことで、東京オリンピック出場は確実視されていたが、最大のライバルである丸山城志郎選手が立ちはだかった。
世界選手権連覇の後、一二三選手は丸山選手との対決で敗れ、その後も丸山選手との対決で3連敗を喫する。2人の立場は逆転し、一二三選手のオリンピック出場は絶望的になった。
2019年11月にグランドスラム大阪で丸山選手と対決し、一二三選手が勝利するが、2人の代表争いはもつれにもつれ、2020年12月には66キロ級だけ代表決定戦が無観客で行われた。
試合時間が柔道界史上最長の24分に迫ったその時、一二三選手の大内刈りがポイントとなり、勝利したことで、代表を獲得した。
はなわさんはこの試合を振り返り、「あの2人の試合がオリンピックの事実上の決勝戦」と語り、試合を見ていたという吉村選手は「感動して涙が過去イチ出た」と明かす。
穴井隆将さんは現在、天理大学で監督を務め、東京オリンピックでは解説も行う。丸山選手も天理大学に所属しているため、穴井さんは「当日はコーチボックス入っていて、すごい試合でした。最後は阿部選手の執念がすごかったんですけど、お互いに高め合って、本音を言うと2人ともオリンピックに出てほしかった」と振り返った。
そんな一二三選手の強さを穴井さんは「スピードもパワーも兼ね備えていて非の打ち所のない柔道家」と明かし、どんな体勢でも担ぎ技が出せる筋力と柔軟性があるという。
また、穴井さんは技を繰り出すときのタイミングの良さと度胸が抜群だという詩選手を「一二三選手よりさらに強い」と話し、金メダルへの太鼓判を押す。
柔道には阿部兄妹の他にもリオオリンピック73キロ級金メダリストの大野将平選手や女子78キロ超級の素根輝選手など、誰もが金メダルの可能性を秘めているため、目が離せない。
番組MC浜田が日本代表を激励
浜田さんは1年半にわたり、さまざまな競技の日本代表への激励を行ってきた。
2019年12月17日には完成前のカヌー会場を訪れ、日本カヌー史上初の五輪銅メダリスト、羽根田卓也選手に案内してもらった。羽根田さんは「こうした施設がなかったのでスロバキアに行っていた」と、日本初の人工のカヌーコースに感動していた。
2020年2月にはフェアリージャパンを激励し、メダル獲得への戦略を教えてもらった。
新体操団体の得点は、難しい技を決めるたびに加点される難度点と、ミスをするたびに10点満点から減点される実施点の2種類あり、この合計点で競う。しかし、山﨑浩子強化本部長は「難度点が2018年から青天井になったので、技を入れれば入れるほど得点がもらえる」ため、演技時間2分30秒内の技数がカギだと明かす。
44年ぶりの銀メダルを獲得した2019年の世界新体操選手権では5秒に1回技を繰り出していたが、東京オリンピックでは3秒に1回の技を入れるという。
しかし、技を増やすことはミスも多くなるが、山﨑さんは「動きでごまかして、私たちはこういう動きでしたよ」というスタンスで乗り越えていくと明かす。
中でも「ランドセル」は日本独自の大技で、ボールを投げた後に選手を背中に乗せる姿からランドセルと呼ばれ、そのまま足でボールをキャッチするという。
フェアリージャパンは、競争率が激しく、最年少は16歳、最年長は27歳。10歳以上の年齢差がある。毎年開催されるトライアウトで先行され、審査員がプロポーションや関節の可動域などを見たうえで選ばれる。選ばれた後も1日8時間超えの猛練習を行い、同じ部屋で寝泊まりや食事を共にする生活を年間350日送る。それでも、この中からオリンピックの舞台に立てるのはたったの5人。
最後にフェアリージャパンの「メイク術」にも注目。シンクロ率を上げるため、メイクで顔を似せているのだそう。
徹底した戦略で金メダルを目指すフェアリージャパン。メダルを獲ったら浜田さんにしてほしいことを聞くと2020年2月ごろは「一緒にカラオケ行きたい」と話していた。
約束から1年半が経過し、フェアリージャパンからメッセージが届き、「昨年来ていただいたときからボールの演技の曲も変わり、技も増えたのでより高度になりました。東京オリンピックでは私たちの演技を見てたくさんの方々が元気や勇気をもらえるように、私たちも演技頑張ります」と意気込む。
そして、当初は「カラオケに行きたい」と話していたが、それは難しいと考えたフェアリージャパンは「爆買いしたい」とアピールした。
日本水泳市場初の6度目のオリンピックに出場する、飛び込み競技のレジェンド、寺内健選手。
15歳で初めて出場した1996年のアトランタ五輪10メートル高飛び込み。続く2000年のシドニーオリンピックでは大技を成功させ、日本人最高の5位に入賞。おととし7月に東京オリンピック日本代表内定第一号として6度目の出場を決めた。
2020年2月、浜田さんは寺内選手のもとを訪問。今回、寺内選手が出場する種目は3メートルシンクロ板飛び込み。個々の美しさだけでなく、ペアとのシンクロ率が重要になるが、寺内選手がパートナーに選んだのは12歳年下の坂井丞選手。寺内選手がオリンピックに初出場したとき、坂井選手はまだ3歳だった。
坂井選手は「シンクロを組むことになったとき自分でいいのかなと(思った)。一緒に試合できていることだけでも幸せだったのに、今でも考えられないことが多い」と感じているという。
しかし、コンビを組んだ2人は息ぴったり。以前、スタジオに来た際には「一緒に練習はしない」という驚きの練習法も明かしていた。
浜田さんが訪れたのは坂井選手が普段練習している相模原市立総合水泳場。国際大会も開かれる飛び込み専用プール。そこで浜田さんはシンクロ板飛び込みで使われる3メートルの飛び板の先の感覚や高飛び込みで使われる10メートルの高さを体験した。
目前に迫った東京オリンピック。注目競技やアスリートたちから目が離せない。
(『ジャンクSPORTS』毎週日曜日夜7:00~8:00放送)