岩手・陸前高田市の「道の駅 高田松原」。
2019年にオープンして以来、三陸観光の玄関口として多くの観光客を迎え入れている。

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魅力を伝えるため…観光ガイドツアー立ち上げ

道の駅では、5月から新たに観光地としての魅力をさらに知ってもらおうと、観光ガイドツアーを始めた。
ここでガイドを務める寺坂優斗さんは、陸前高田市で生まれ育った。
震災当時は中学校3年生で、自宅が全壊。
大学の進学で一度県外に出たが、2019年に戻ってきた。

陸前高田市出身・寺坂優斗さん:
被災したからこそ話せることもあるので、そういった部分も大事にしながら、来てくださったお客さんに伝えていきたい

井上智晶アナウンサー:
新しく始まった観光ツアーは、自転車で巡ります。どんな景色があって、どんな良い所があるのか、早速乗って体験してきます

この日は、関東から移住した若者グループのツアーに混ぜてもらった。

異なる特色の3コースを用意

ツアーは、震災や復興の姿だけでなく、自然や文化、そこで生きる人々の暮らしも知ることができる3コースが用意されている。
特産の米崎りんごや、豊かな自然を感じられる「小友米崎コース」。
津波復興祈念公園と街中を回る「公園まちなかコース」。
気仙町長部地区の漁港や、住宅再建が進む高台を回る「気仙コース」。
今回は、気仙コースを体験した。

最初に訪れたのは、高さ14メートルの津波に襲われた気仙中学校。
5月から、ガイドの案内で見学が可能になった。

陸前高田市出身・寺坂優斗さん:
気仙中学校は、防災教育のために残されています

1人も犠牲者がいなかった気仙中学校だが、津波の脅威を今に伝えている。

陸前高田市出身・寺坂優斗さん:
当時の状況がほとんどそのまま残されていました。よく見ると、向こうの上(天井)にいすが引っ掛かってたり、普段ではありえないようなものが引っ掛かっていたりするんです

参加者:
自分の目で見ると、津波の大きさを感じてしまうというか、想像以上にくるものがあります

コースは約20kmと長距離だが、電動アシスト付き自転車で、体力に自信のない人でも楽しめる。

車だと通り過ぎそうな場所でも、気軽に止まって見ることもできる。
次にたどり着いたのは、漁港。
ツアーでは、海と共に生きる人々の暮らしも伝えたいと、地元の人との交流も大切にしている。

カキの養殖漁業者:
いいと思いますよ。皆さんにこういう作業をしてるとか、アピールになればいいんじゃないかなと思います

県外出身者による第3者目線のガイドも

道の駅でガイドを務めるのは4人。
寺坂さんを除く3人は県外出身。
この日、寺坂さんと一緒にガイドを務めた竹田耕大さんは神奈川県出身で、3年前に移住した。

神奈川県出身・竹田耕大さん:
よそから来たお客さんが多いので、同じ目線で気になることが少しはわかるかなと。地元の人と、よその人をつなぐような役割を意識しています

最後に、復興した街の様子を眺めることができる高台に到着。
寺坂さんは、震災から10年経過した今の思いを伝える。

陸前高田市出身・寺坂優斗さん:
今は被災地として見られてるんですけど、良い意味でその被災地を忘れてもらって、マイナスなイメージじゃなくて、良い場所だというのを多くの人に知ってもらいたいなと思ってます

参加者:
気持ち良かった。自転車でここら辺を旅するってなかなかないので、車だと見逃してしまうことに出会えることかなと思います

参加者:
高田の今の状況とか、昔の歴史とか、その人ならではの言葉で話されている感じがして、すごく面白いなと思いました

陸前高田市出身・寺坂優斗さん:
自転車で走って、初めていい景色の場所を知れたので、これからもいろいろと探しながら、コースを進化させながら、やっていきたいなと思います

風を受けながら潮の香がする自転車ガイドツアー。
陸前高田の魅力を五感で感じられる。

(岩手めんこいテレビ)