コロナ禍で続くアウトドアブームが、まさかの場所にも登場。
その場所とは、アウトドアとは正反対ともいえる「会社」。

工場内にアウトドア風のリフレッシュルーム設置

紙のまち・四国中央市川之江町にある、紙加工会社「江南ラミネート」。
紙同士や紙とフィルムといった、紙とさまざまな素材を貼り合わせて加工。物流や食品向けの包装資材などを作っている。

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そんな紙のまちの会社が、工場内に作ったのがあるスペース。

江南ラミネート・石川克晴社長:
こちらが、江南ラミナート自慢のアウトドア風リフレッシュルームです!

橋本利恵キャスター:
すごい! びっくり! ほぼキャンプ場! じゃないですか…大きいテントがあって、植物があって、すごい開放的

鮮やかな緑の人工芝が敷き詰められたスペースに、大きなテント。

観葉植物に色鮮やかなキャンピングチェア。

オフィスにいながらキャンプ気分を味わえる。

アウトドアが好きな石川社長が、30年ほど前からずっと空き部屋になっていた工場の2階を、なんと300万円かけてリフォームした。

江南ラミネート・石川克晴社長:
仕事中はみんな、いい製品を作ろうって集中して気が抜けない仕事の状況なので、ONとOFFの切り替えがうまくできるように、休憩室はアウトドア風にして、リラックスして本当に休憩できるようなスペースを作りました

こうした社内スペースは、「キャンピングオフィス」と呼ばれ、コロナ禍の中で全国で注目されている。
愛媛県内でもすでに3カ所あり、現在 設置へ向けて検討を進めている企業もあるという。

デザインを担当したオープンデザイン・吉村拓也社長:
アウトドアが今はやってるというのもあるんですけど、遊び場って言われるキャンプ場をもってくることで、より休憩・リフレッシュできるっていうことが可能になる

休憩用だけではなく業務用のスペースとしても

キャンピングオフィスで実際に休憩中の様子を見せてもらった。

新入社員:
室内にいるのに外にいるような感じもあって、居心地すごくいいですね

このスペースは、休憩用だけではなく、会議や社内研修といった業務用のスペースとしても使われている。

社員・新田有里さん:
机と椅子しかないところよりは、突拍子もない意見もたまには出ると思うんですけど、すごい建設的な楽しい意見が出るような気がします

そして、壁紙には社員発のアイデアも。
壁に描かれているのは、大きなゾウ。

社員・大西剛広さん:
「ELEPHANT IN THE ROOM」っていう(タブーなどを表す)英語のことわざがあって、「ゾウみたいな大きなものが部屋の中にいても何も言わない」っていう…そういう空間じゃなくて、「ゾウがいるならゾウがいるぞ」って言えるような、何でも言い合えるような空間にしたいっていう意味でゾウを入れました

社員・新田有里さん:
社員や会社が思ってる社風とか思いとかを壁紙にしたらいいよと言われたので、わたしたちなりに考えてこういう風にデザインしました

自由で居心地のいい空間で新しい発想を…

さらに、このスペースには、コロナ禍を生き抜くための社長のある思いがあった。

江南ラミネート・石川克晴社長:
コロナ禍でも企業が生き残っていくうえでは、中小企業としては社員の団結力が一番の力になりますし、武器になりますので、こういう苦しい状況でも社員みんなが同じ方向を向いて力を合わせたら、どんな困難も乗り越えられるんじゃないかなという思いで、こういうスペースを作りました

企業にとっても厳しい状況が続く今だからこそ、「会社 = 作業する場」だけでなく、そこで働くみんなが思いを共有し、新しい発想を生み出す自由で居心地のいい空間に。

キャンピングオフィスは、コロナ禍の会社の新しい形の1つになっている。

(テレビ愛媛)

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