「時短命令は違憲」と提訴

緊急事態宣言が解除された22日、時短営業をめぐり東京都の飲食店対策に怒りの声が上がった。

グローバルダイニング 長谷川耕造社長:
民主主義社会であるべき日本でこれが行われたことを看過はできないなと思いまして

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首都圏を中心にレストランなどを経営するグローバルダイニングの長谷川耕造社長。

小池知事による時短命令は違憲だと主張し、損害賠償を求めて東京都を提訴した。

エスニック料理の「モンスーンカフェ」や創作和食「権八」など43店舗を運営するグローバルダイニング。

時短要請に応じていなかった飲食店の中で、都が時短命令を出したのは32店舗。そのうち26店舗がグローバルダイニング系だったという。

長谷川社長はこれまで時短要請には応じない旨をホームページや自身のSNSで発信してきた。それによって都に狙い撃ちされたと訴えた。

グローバルダイニング 長谷川耕造社長:
命令書の事前の書面が来まして、実はそれが来たときに社内で関係者がみんな見てあ然としました。その命令の根拠が、社会に情報を提供したと、それによる影響が強くうちの行動に追随するところが増えるからお宅にメールを出したというような趣旨でございました。

その人間に懲罰を与えるみたいな行動が許されるのかと。あれを見たときにもう絶対訴訟しようと思いました

請求額は104円

驚くべきはその請求額だ。

倉持麟太郎弁護士:
1円×26店舗で、命令に従った4日間、で104円です

なぜ請求額が100円余りなのだろうか。

倉持麟太郎弁護士:
裁判の原告はお一人なんですけども、このコロナ禍、日本社会において閉塞感があるとか、自分の自由に対する違和感とかがある人たち全員が、当事者原告であるというような訴訟にしたい

グローバルダイニング側の訴えに対し小池知事は、「訴状が届いていると聞いております。その中身を確認してからということになります」と述べるにとどまった。

飲食店と東京都との間に生まれた溝。時短命令の是非は今後、法廷で争われることになる。

訴訟自体が今後のヒントに

加藤綾子キャスター:
なぜ26店舗にこの命令が集中したのか、そこの疑問が残りますけど、これはすごく難しいなと思っていて、都からするとこれだけの大手が「従いません」という影響力もものすごく大きいと思いますし。ただ、一方で大手だからこそ抱えている従業員の数も多いじゃないですか。生活を守るという意味では、そこに従えないという理由もあると思うんですけど。これをどう見たらいいんですか。

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
やっぱり一口でどっちが正解どっちが間違っていると言いにくい問題はあると思うんですよ。
確かに一人でやっているお店で協力金6万円だったらある程度いけると思うんですけど、たくさん従業員を雇っているところと一律に6万円でそれに従ってくださいって言われても果たしてそれで応じられるかどうか。

たぶんこういった訴えを起こすことによって、本当にこれから先どういう解決策を見出せばいいかというヒントになれば僕はいいなと思う。きっかけになるという考えで。

加藤綾子キャスター:
お互いに主張をはっきりと言い合ってということですね。

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
なかなか着地点、これが正解だというものはないと思う。
そういうきっかけになってくれればこういう訴えを起こすという意味はある。

加藤綾子キャスター:
そうですね。こういったことも対策に生かしてほしいと思います。

「イット!」3月22日放送