各地で相次ぐ山火事 乾燥続き拡大か

栃木県の足利市で21日に発生した山火事から6日目。さらに、25日には群馬県桐生市でも山火事が発生。同日夜には茨城県桜川市でも6000平方メートルが焼失する山火事が発生した。

足利市の火事はヘリによる消火活動も続いているものの、鎮火のめどが立っていない状況となっている。
なぜここまで広がってしまったのだろうか。

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東京理科大学 火災科学研究所・関澤愛教授:
何日間も乾燥した日が続いたということが大変大きいと思います。乾燥した下草や落ち葉が燃焼の要因になっていると伝わっておりますが、特にスギなどの場合は枯れ葉に油分が大変多いので、火力がさらに強くなっている可能性があります。


上空からの消火活動は、まず自衛隊のヘリがダムの水をすくい上げ、現場の山林に急行。
容器の底が抜け、山林に水がまかれるという仕組みになっている。

このとき、一度に汲める水の量は約5000L(ドラム缶25杯分)だが、自衛隊機だけで25日に65回、25日までには225回もの往復作業を続けているという。

加藤綾子キャスター:
このヘリからの消火活動で十分なのでしょうか。

東京理科大学 火災科学研究所・関澤愛教授:
今は地上から山に入ってホースを伸ばして消化するというのは難しいし、実際にはできませんので、空中消火に頼るしかない。
水をかけた分だけ延焼の勢いを弱めたり、速度を遅くしている効果は十分にあると思います。
8機で65回なので、1機につき8回ずつ1回5トンの水を落とす。ただ、地上放水による連続的な消火と違って、おそらく10分に1回ずつといった間欠的な放水なので、完全に消しきることは難しいんですね。

加藤綾子キャスター:
このヘリでの消火活動というのは鎮火のためというよりは、燃え広がらないようにするためでもあるということなんですかね。山は急斜面ですから、なかなか消火活動は難しいですよね。

東京理科大学 火災科学研究所・関澤愛教授:
そうですね。下火になってから山に分け入って火種を消すことをしないと、鎮火にはなりません。下火になってからの時間は結構かかると思います。

たき火にたばこ…出火には人的要因も

林野庁によると、2019年に発生した山火事は1391件。2015~2019年の平均月別で見ると、3月が最も多く236件、さらに4、5月も多い時期が続いている。

なぜこの時期に山火事が多いのかというと、

・落ち葉が多い
・空気が乾燥している

・山に入る人が増えてくる

ことが原因にあるという。

出火原因は

・たき火
・害虫駆除などの火入れ
・放火
・たばこ
・火遊び


などが挙げられるということだが、今回の足利の山火事ではハイキングコースのベンチが火元と思われるということで、食事の際に火を使ったか、またはタバコなどが原因と見られている。

加藤綾子キャスター:
出火原因を見ると、人的要因が多いということですが…

明治大学・齋藤孝教授:
ほとんど人的な要因なんですね。山に入ったら火気厳禁、たばことかも持たないようにしたほうがいいです。

加藤綾子キャスター:
一度広がってしまうとなかなか鎮火には至りませんもんね。

石本沙織キャスター:
まだまだ乾燥が続いています、お気をつけください。

(「イット!」2月26日放送分より)