入院患者がコロナ陽性 病院が対策強化…遺伝子検査で無症状者も確認可能に【愛媛発】
感染拡大… 新型コロナウイルス

入院患者がコロナ陽性 病院が対策強化…遺伝子検査で無症状者も確認可能に【愛媛発】

テレビ愛媛
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2020年末の愛媛・松山市内にある鷹の子病院で実際に起きたこと。それは、新型コロナウイルスの感染が、入院中の患者から判明。
強化した感染対策の実情とは。

医療現場が警鐘…入院中の患者がコロナ陽性

感染が広がっている現状に、医療の現場は警鐘を鳴らしている。

鷹の子病院・東太地院長:
どこまで感染が広がるのか全然わかりませんでしたので、もっと大変なことになるんじゃないかという思いを、最初1週間は思っていました

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当時の不安を振り返るのは、鷹の子病院の東太地院長。

実は、この病院で2020年12月初め、新型コロナと関係ない病気で入院した患者が感染していたことが判明。病院は対応に追われた。

病院の駐車場の一角にあるプレハブは、簡易診療室。

2020年4月の第1波から設けている。目的は「院内感染の防止」。
プレハブでは、発熱や行動履歴などで感染が疑われる患者を診察し、患者を振り分ける。

それでは、なぜチェックをすり抜けてしまったのか。

鷹の子病院・東太地院長:
実際入院されて、入院した当日も全く無症状、翌日も無症状です

感染が判明した患者は、入院する際、体温や感染が疑われる症状はなかったものの、2日後に発熱。検査で陽性が判明した。

日頃の感染対策が功を奏し、院内で感染が広がることはなかったものの、無症状の感染者の事前の発見は容易ではない。

そして、不安だったのが、院内での感染確認の公表。
頭をよぎるのは、医師や看護師、その家族らへの誹謗(ひぼう)中傷の心配。

しかし決断したのは、ウェブサイトなどでの公表だった。
その理由は…

鷹の子病院・東太地院長:
(仮に)医師・看護師が自宅待機になってしまうと、今までしてた外来治療、入院治療はできなくなりますよね。公表せずに、ほかの患者さんに入院や検査ができない理由なんか伝えることはできませんので

幸い誹謗中傷はなかった。

ーー経営部分でのダメージというのは?

鷹の子病院・東太地院長:

ああ、もうとても大きいです。そこは、とても大きいですね

鷹の子病院・東太地院長

感染者が判明すると発生するのが、濃厚接触者の2週間の自宅待機。
この病院では…

鷹の子病院・東太地院長:
手術していたスタッフが2週間自宅待機になりましたので、手術も全面中止になりました。新規入院患者さんの受け入れも中止になったので

2020年12月の入院患者は、例年の半分ほどに落ち込んだと明かす。

遺伝子検査で無症状者確認可能に…抗原検査に協力も

その後、鷹の子病院が取り組んだのは、入院する患者全員への感染の検査。
このため、12月下旬に導入したのが、抗原検査より精度が高い遺伝子検査の機器。

鷹の子病院・東太地院長:
抗原検査は症状がある人を対象としています。遺伝子検査の場合は無症状の人でもある程度、遺伝子で見つけることができる

結果が出るまでの時間は、15分ほどという。

高額な機器を買いかさむ経費。しかし、地域で感染が確認されている現状では、院内感染のリスクを最小限に抑えるため必要と判断した。

さらに、2021年2月には、PCR検査の機器4台も導入。

鷹の子病院は、県からの委託で発熱した人への抗原検査に協力。
検査は、事前に電話で問診を行ったうえで、車に乗ったまま受けることもできる。

今回、橋本利恵アナウンサーが抗原検査を特別に体験させてもらった。

鷹の子病院・東太地院長:
これからインフルエンザと新型コロナウイルスの抗原検査をさせていただきます。鼻の奥に綿棒で少しだけ(検体を)採りますので、少し鼻がつんと痛いですが。少し我慢してください。すぐ検査しますので、そのままお待ちください

鷹の子病院・東太地院長

綿棒で採取した検体を試薬と混ぜて、専用の検査キットへ。

判定の見分け方は…

鷹の子病院・東太地院長:
この右側にTというマークがあると思うんですけど、その下に、このメーカーのキットは赤い線が出ます。赤い線が出れば「陽性」ということで、何も出なかったら「陰性」です

この検査の時間も15分ほど。しかし、検査を受ける人にとっては…

鷹の子病院・東太地院長:
この待ってる時間が一番不安でしょうね。最近は感染経路不明という方も多いですので、まさか自分がという方はやはりおられますので

橋本アナウンサーの抗原検査の結果は、「陰性」だった。

しかし、感染がわかると…

鷹の子病院・東太地院長:
患者さんも、かなりショックを受けるんじゃないかと思います

中には涙を流した人も。
感染へのおびえ。経路不明の感染が増えてきている今、感染の危険は身近に迫っている。

医療崩壊への破壊力“クラスターが一番問題”

年末から広がり、今も楽観できる状況にない新型コロナの感染。
東院長が特に恐れるのは…

鷹の子病院・東太地院長:
クラスターがやっぱり一番問題なんですね。一気に愛媛県で30人、50人と感染者が出てしまうと、一気に医療崩壊につながってしまう。毎日数名の方が発症するだけであれば、医療側も耐えられるんです

県内の医療体制は今、綱渡りの状態。

鷹の子病院は、新型コロナの患者の受け入れ病院ではないものの、東院長は、感染者1人が院内で判明した経験から、クラスターの医療崩壊への破壊力を実感する。

県内のクラスターは、1月だけで10件以上発生。
新型コロナの対応でいっぱいになれば、ほかの治療を受けなければならない患者に手が回らない。

県民に、あらめて感染対策の徹底が突き付けられている。

(テレビ愛媛)

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