世界各地とスカイプ中継をつないで最新のスタートアップ企業事情をお伝えしている「ワールド・テック・リポート」。今回はサンフランシスコにいるRE Co., Ltd.の江原理恵さんから、注目を集める2つの会社を紹介していただいた。

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世界一履き心地がいいスニーカー


新美有加アナウンサー
1つ目の会社は、シリコンバレーでも大人気の『ウールで出来たスニーカー』を手がける会社です。

江原理恵さん
こちらは「Allbirds」というブランドです。
ニュージーランドの元サッカー選手と、サンフランシスコの技術者がコラボレーションして、画期的なスニーカーを作っています。創業者したのはティム・ブラウンという人で、彼がサッカー選手時代だったときはナイキとかアディダスとかから靴をもらっていたんですが、そういう合成素材でブランドロゴが乗ったスニーカーとは違うモノが作りたいということで、このブランドを始めたそうです。

江原
1足95ドルで、とにかく世界一履き心地がいいと言われているんです。わたしも今週お店に行ってきたんですが、こういうかわいいパッケージに入ってるんですよ。

新美
あっ、不思議な開き方で片足ずつ入ってるんですね。

江原
そうですね。 素材はスーパーメリノウールというモノを使っていて通気性がすごくいいんですね。中敷きは消臭効果があったり、さまざまなテクノロジーを駆使して作られています。さらにこの靴は洗濯機で洗うこともできるんです。


ジャーナリスト佐々木俊尚
僕はスニーカーマニアで、このブランドは3か月ぐらい前に見つけて、素晴らしいから買おうとしたんですけど日本には出荷してなかったんですよ。履き心地はいかがですか。

江原
私は、もともとデザインで靴を買うタイプで機能性を重視してなかったんですが、すごく足にフィットします。アメリカは道が悪い場所が多いんですが、この靴は1日中歩いても全然疲れません。

佐々木
路面店も出しているんですね。

江原
私の行った1か所だけです。ショールーム型の店舗で、裏に本社があります。特に立地がいいというわけではないんですけど、ソーシャルメディアなどを見て実際に試したいという人がたくさんいらっしゃっていました。

全米の女子を夢中にさせるコスメ

新美
続いては、全米の女子を夢中にさせているNY発のスキンケアブランド『Glossier』の紹介をお願いします。


江原
こちらは、先ほどのAllbirdsとはちょっと対照的な、ニューヨーク的なブランドです。創業者のエミリーワイスという人は、もともとファッション誌の「VOGUE」で働いていて、2010年に「Into the Gloss」という美容メディアを立ち上げ、4年かけて100万人の購読者を獲得します。その当時は「D2C」のビジネスモデルがかなり広がってきているタイミングで、自分たちも化粧品を作って売ろうと2014年に「Glossier」を始めます。

最近はファッションもそうなんですけど、女性の美の概念が少し変わってきてまして、化粧で美しくなるよりは自分の肌そのものを美しくすることを重視しているんですね。何かを塗りたくるよりは、スキンケアをしたそのままのアナタが美しいという感じで、輝く(glow)肌を作るためのスキンケアプロダクトと、それを引き立てるための最低限のメークアップアイテムを作っています。メークアップのセットも、コンシーラーと口紅と眉を整える製品だけで、もうファンデーションもしないでいいですという組み合わせです。

注目される「D2C=ダイレクト・トゥ・コンシューマー」

新美
この「Glossier」など、自分で企画製造した製品を自分のチャンネルを使って消費者に直接販売するモデルを「ダイレクト・トゥ・コンシューマー」というんですね。

江原
個人向けビジネスの既存産業がどこも苦戦している中で、「ダイレクト・トゥ・コンシューマー(=D2C)」は成功している企業が多いということで注目が集まっています。「Glossier」は、もともと持っていた「Into the Gloss」のコンテンツを起点に、ソーシャルメディア等でユーザーとの接点を広げていきました。

佐々木
ソーシャルメディアというのは、やっぱりインスタですか?

江原
そうですね。特にニューヨークの若い女性に聞くと、「Instagram」と「Snapchat」しか使ってないっていうんですね。Instagramは雑誌的な感覚で、ビジュアルをひたすら見て情報収集を行い、何かいいものを見つけたら友達に教えたりするそうです。

佐々木
「Glossier」のパッケージやボトルも、ちょっと「インスタ映え」を狙ってる感じのデザインですよね。

江原
その辺はかなり意識して、デザインを試行錯誤したりシェアされる作戦を練ったりしているそうです。例えば、スキンカラーが違うとどういう風に見えるのか、ひとつずつきちんとやっていたり、雑誌的な見せ方がうまい。また他の「D2C」でも多い、製品が何でできているのかという成分情報や、製造工程もしっかり開示しています。

江原
個人向けビジネスの既存産業がどこも苦戦している中で、「ダイレクト・トゥ・コンシューマー(=D2C)」は成功している企業が多いということで注目が集まっています。「Glossier」は、もともと持っていた「Into the Gloss」のコンテンツを起点に、ソーシャルメディア等でユーザーとの接点を広げていきました。

佐々木
ソーシャルメディアというのは、やっぱりインスタですか?

江原
そうですね。特にニューヨークの若い女性に聞くと、「Instagram」と「Snapchat」しか使ってないっていうんですね。Instagramは雑誌的な感覚で、ビジュアルをひたすら見て情報収集を行い、何かいいものを見つけたら友達に教えたりするそうです。

佐々木
「Glossier」のパッケージやボトルも、ちょっと「インスタ映え」を狙ってる感じのデザインですよね。

江原
その辺はかなり意識して、デザインを試行錯誤したりシェアされる作戦を練ったりしているそうです。例えば、スキンカラーが違うとどういう風に見えるのか、ひとつずつきちんとやっていたり、雑誌的な見せ方がうまい。また他の「D2C」でも多い、製品が何でできているのかという成分情報や、製造工程もしっかり開示しています。

佐々木俊尚のまとめ

佐々木
いままでインターネットのビジネスって、サイトやサービスを作るという、ネットの中だけの話だったけど、最近はすごい勢いでベンチャーをやってモノを作るという方向にきていますね。それで作ったものは、セレクトショップや百貨店に卸さず直接消費者に売っていくんです。

最近「EVERY DENIM」っていうジーンズを作る会社と仲良くしているんだけど、ここは岡山の若者二人がゼロからジーンズを企画して、岡山の工場で作って、ネットで販売しています。あと「BASE PASTA」という会社では、いろんな栄養分が入った完全栄養パスタを作っていて、一食分600円ぐらいで結構高いんだけど結構人気になっています。社員6人ぐらいの小さなベンチャーで、自分たちで企画・製造・販売、全部やって、やっぱり販売はネットのみなんです。そういう形の新しい製造業がすごい勢いで増えてきています。一方でユニクロみたいな巨大SPA(製造小売業)があって、今後はそういう2つの構図になる可能性が高いんじゃないでしょうか。