アメリカ・ニューヨークで開催されている国連総会で27日、アメリカ国連大使とキューバの代表団の間で怒号が飛び交う異例の事態となり、会議が一時中断されました。
対立の舞台となったのは、国連本部で行われたアメリカによるキューバへの経済制裁をめぐる年次討論の場でした。
アメリカの国連大使、マイク・ウォルツ氏が演壇立ち、キューバの社会主義政権批判を展開しました。
ウォルツ米国連大使:
フィデル・カストロが権力を掌握した際、彼は企業、農場、工場、住宅、そして懸命に働いてきたキューバの人々が何世代にもわたって築き上げた貯蓄を没収した。
さらにカストロは、何千人もの同性愛者、キリスト教徒、アフリカ系キューバ人を強制収容所に送り込み、彼らの財産を剥奪した。
これに対し、ブルーノ・ロドリゲス外相らキューバ代表団は「ウソだ!」と声を上げ、机をたたくなどして抗議。
議長が静粛を呼びかけましたが、騒ぎは収まりませんでした。
これに対して、ウォルツ大使は「この場にいる皆さん、この様子を見てください。各国の大使たちやテレビカメラの前でこれなら、首都ハバナで政府に異議を唱えた人はどうなるのか想像してみてください」とたたみかけました。
そして、キューバのロドリゲス外相が講義のため演壇の近くまで歩み寄ると、ウォルツ大使は強い口調で、「誰を相手にしているのか分かっているのか?ここはアメリカだぞ!国連だ!ここはハバナではない!あなたたちの共産主義独裁国家ではない」と声を荒らげ、「私を黙らせることはできない」と壇上からキューバ代表団に向かって言い放ちました。
議事は一時中断され、その後、キューバ代表団は「異議申し立て」を行い、ロドリゲス外相が「アメリカ大使による発言はキューバとその国民への侮辱だ」と反論しました。
国連総会における「アメリカによる対キューバ制裁の解除を求める決議案」の採決は、1992年以降、毎年圧倒的な賛成多数で採択され続けていて、2025年は日本を含む165カ国がこの決議案に賛成票を投じています。(反対はアメリカ、イスラエルなど7カ国)
しかし、アメリカによる制裁は厳しさを増していて、キューバでは深刻なエネルギー不足が常態化し、人道的危機をもたらしています。
制裁解除を求める決議案の2026年の採決は、10月28日に行われる予定です。

