白身魚のフライに揚げたてのフライドポテトを添えたイギリス伝統の国民食「フィッシュ・アンド・チップス」。
外はカリッと、内側はフワフワのフィッシュ・アンド・チップスを食べていたお客さんは「とてもおいしい」「僕にとっては慣れ親しんだ食べ物さ」と話します。
しかし今、この料理に欠かせないジャガイモの生産を脅かす害虫の被害が問題になっています。
その害虫がジャガイモシストセンチュウです。
この虫はジャガイモなどの根に寄生して収穫量を減らすだけでなく、土の中で長期間、生存し続けます。
スコットランドでは、その拡散を防ぐため、畑で虫が見つかると種イモを栽培することができなくなります。
イギリスの農業団体が2025年1月に公表した資料では、この虫によるイギリス国内のジャガイモ産業への被害は年間約5000万ポンド、日本円で約105億円と推計されています。
加えて、イギリス国内の研究所は何らかの対策を講じなければ、2050年までにスコットランドの種イモ産業が立ち行かなくなる恐れがあるとも警告しているのです。
「イット!」は今回、イギリスで創業約60年の老舗フィッシュ・アンド・チップス専門店を取材しました。
この店では1日に約250kgのジャガイモを使うということです。
オーナー:
フィッシュ・アンド・チップスは重要な料理の一つさ。ほとんどのイギリス人は大好きで少なくとも週に1~2回は食べるよ。
イギリス料理の代名詞であるフィッシュ・アンド・チップスですが、オーナーは、このところのジャガイモの値上がりを実感していました。
オーナー:
(Q.ジャガイモの値段)少なくとも3倍になった、少なくとも3倍だ。以前は1袋5ポンド(25㎏約1000円)くらいだったが、今は15~16ポンド(3100円~3300円)くらいだ。
お客さんは「(Q.ジャガイモの値段が上がっている)それは残念だけど、それでもきっと食べちゃう。(フィッシュ・アンド・チップスが)大好きなんだ」と話しました。
ジャガイモの生産を脅かす害虫への懸念に加え、仕入れ価格の上昇もみられます。
一方、日本国内では今、アメリカ産ジャガイモの輸入解禁に向け農水省が病害虫ごとのリスク調査などの手続きを進めています。
武部農水大臣は27日の衆議院農林水産委員会で「農林水産省としては、わが国の農業に悪影響を与える恐れがある病害虫が侵入しないよう毅然(きぜん)とした姿勢で協議に慎重に対応していく」と述べました。
