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物流を競争力へ――経営基盤を強化するパナソニックグループの物流改革
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物流を競争力へ――経営基盤を強化するパナソニックグループの物流改革

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データ提供 PR TIMES
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物流は、製造業における最終工程であり、事業活動を支える極めて重要な領域だ。一方で、近年は、EC市場(※1)の拡大やサプライチェーンの複雑化、消費者ニーズの多様化に加え、2024年問題(※2)として注目された業界の人手不足など、物流を取り巻く環境は大きな変化と課題に直面している。パナソニックグループでは、こうした課題が顕在化する前から、物流を事業競争力の強化を支える経営基盤と位置付け、現場改革を継続的に推進。2025年には、京都府京田辺市に関西エリアの中核拠点となる「国内物流オペレーションズセンター関西第一拠点」を開設し、効率化と生産性の向上に取り組んでいる。本記事では、同センターの先進設備や運営の工夫を紹介するとともに、関東の首都圏、さらにはグローバルへと広がるグループ全体の物流改革の展望について、パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社(以下、PEX)で物流を担当する執行役員の安藤 健太郎に話を聞いた。


※1 インターネットなどのネットワークを通じて商品やサービスを売買する市場

※2 トラックドライバーの労働時間規制強化による人手不足や配送遅延の懸念

物流現場の改革で強い事業基盤をつくる――関西圏でOne Panasonic Logistics を実現


近年、物流は企業競争力を左右する重要な経営課題となっている。パナソニックグループでは、グループ成長戦略の実現に向けた経営基盤強化の一環として、物流現場の改革を推進。その中核を担っているのが、PEXの物流部門だ。


PEX物流本部が運営する「国内物流オペレーションズセンター」は、北海道から沖縄まで全国に9拠点を展開し、地域ごとの最適な物流体制を築いている。今回、その中でもかつてない規模の改革を推進したのが、グループ最大(※3)の物流拠点「国内物流オペレーションズセンター関西第一拠点」だ。ここでは照明・空調・電材をはじめとする多様な製品を保管し、近畿・中四国エリアを中心に各地へ届けている。


※3 床面積が当社グループ最大。2025年9月4日時点、当社調べ。


国内物流オペレーションズセンター関西第一拠点(以下、京田辺拠点)は、それまで関西地域に点在していた9つの物流倉庫を統合し、事業会社ごとに異なっていた物流業務やシステムをグループ全体で一本化。配送ルートの効率化、保管スペースの効率的活用、トラック積載率の向上による台数の削減などを着々と実践し、グループ横断での業務の標準化、プラットフォーム化を推進した。2025年9月の本格稼働から1年が経過した現在も、さらなる効率化に向けた改善を重ねている。


この改革を率いるのが、PEX執行役員で物流を担当する安藤 健太郎だ。安藤は、今回の取り組みを「商品を届けるための仕組み改善にとどまらず、企業そのものの価値を高める成長戦略の一つ」と位置付ける。


PEX執行役員 物流担当(兼)物流本部長 安藤 健太郎(あんどう けんたろう)


安藤:「例えばお客様へ同じ日に複数のトラックが別々に配送に向かうのは、決して望ましい姿ではありません。少なくともパナソニックグループの商品であれば、できるだけまとめてお届けすることで、お客様が商品の受け取りに費やす仕事を減らし、本来の業務である現場対応や据え付け作業などに、より多くの時間を充てられるようになります。PEXには、商品の配送実績データが蓄積されています。そのデータを客観的に分析し、配送方法の改善を各事業会社に提案してより良く変えていく。そこに、私たちPEX物流本部の提供価値があると考えています」


事業会社単独では実現できない価値を提供するのがPEXの役割だ。物流本部は、個別最適ではなくグループ全体最適を目指し、グループ共通の物流システム標準化・プラットフォーム化に取り組む。


安藤:「パナソニックグループのような規模感で物流効率化・改革が実現すれば、企業競争力の強化に大きく貢献します。その実現に向け、複数の事業会社と一致団結し、この京田辺拠点の立ち上げに取り組みました」


こうした考え方を具現化したのが、京田辺拠点における「One Panasonic Logistics」の取り組みだ。


国内物流オペレーションズセンター関西第一拠点(京田辺拠点)の特長



延床面積約11万平方メートル。住宅会社・工事店などのルートで取り扱う電設資材1万2,000品番以上を扱う物流拠点。年間220万才(※4)(約6万立方メートル)超の保管能力を備える。1日に最大300台のトラックが出入りし、約43万個の荷物を運ぶ。従事するスタッフは約400人(夜間含む)。太陽光発電由来の再生可能エネルギーの使用により実質CO2ゼロで運営。


※4 「才」は物流業界で使われる体積の単位で、1才=約0.027立方メートル

主な取り組み例

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パレット統一化(写真左)

これまでは、荷物の保管や輸送に用いるパレットが事業会社や工場ごとに異なっていたため、使用済みのパレットは事業会社別、工場別に仕分け・管理・返却する必要があり、大きな手間となっていた。そこで、サイズや仕様を統一したパレットを導入し、グループ共通で利用できる体制へ移行することで、標準化を進めている。


移動棚(写真中央)

電動で棚を移動させ、必要な場所にだけ通路を確保できる移動棚を導入。限られたスペースを最大限に活用することで、従来約3,000パレット程度の保管能力だったエリアで、約5,000パレットまで保管できるようになり、約1.6倍の保管効率を実現した。


GTPシャトルユニット(写真右)

GTP(Goods to Person)シャトルユニットは、出荷対象の商品を作業者の元へ自動搬送するシステムとして2026年6月から稼働している。従来は作業者が倉庫内を歩行しながら商品を探してピッキングしていたが、本システムの導入により作業者の歩行距離を削減。ピッキングから検品、梱包、方面別仕分けまでの一連の作業を、移動することなく行えるようになった。これにより、従来比で約5倍の生産性向上を見込む。

また、作業場所が固定されることで安全性も向上するほか、作業者の経験や習熟度に左右されず、作業品質が安定するというメリットもある。


トラックバース(荷物積み下ろしスペース)予約受付システム

2024年の物流効率化法(物効法)改正により、トラックドライバーが荷降ろしや荷積みを終えて施設を出発するまでの時間を、1運行あたり合計2時間以内に収める「1運行2時間ルール」への対応が求められるようになった。そこで本システムを導入し、ドライバーごとの待機状況を可視化することで、待機時間の削減や積み込み作業の生産性向上を実現している。


トラック動態管理システム

今回の改革を機に、20年以上にわたり築いてきた配送網もゼロベースで見直し、配送ルートを刷新。本システムでは配送車両の位置や到着状況をリアルタイムで可視化、配送遅延やトラブル発生時にも迅速に対応できる体制を構築している。


パレット標準化、移動棚やGTPシャトルユニットの導入に加え、京田辺拠点ではさまざまな改革を推進してきた。その他にも、庫内業務の標準化や携帯情報端末を活用したペーパーレス運用などによって、業務生産性を26%向上するなど、旧来の仕組みの徹底的な見直しを図った。しかし安藤は、今回のこうした成果は設備やシステムの刷新だけで実現できたものではないと語る。


安藤:「物流改革は物流部門だけで実現できるものではありません。物流の仕組みを変えるには、グループ内の事業会社はもちろん、その先の代理店様やお客様を含めたサプライチェーン全体の理解と協力が不可欠です」


そのため、まず事業会社のマーケティング部門や営業責任者、各地域の営業担当者と連携し、改革の目的や意義について丁寧に説明。十分な理解を得た上で、全国の顧客への説明を重ねていった。


約2年に及んだこのプロセスでは、新たな構想を描くこと以上に、現場に根付いた実務や長年の慣習を変えていくことが大きなハードルとなった。しかし安藤は、「グループ全体でPX(Panasonic Transformation)(※5)に取り組む中で、こうした活動こそが、PEX物流部門が担うプロセストランスフォーメーション、すなわち業務プロセス変革の本質だと考え、関係先との連携を深めていきました」と振り返る。


※5 パナソニックグループ横断で、DX(デジタルトランスフォーメーション)を核に、情報システム、オペレーティング・モデル、企業カルチャーを一体で変革し、事業競争力と経営スピードの向上を目指す経営基盤強化の取り組み


今回の成功は、先進設備の導入やDXの推進だけによるものではない。現場で働く一人ひとりが日々の課題に気付き、改善を重ね続けたことも成功のカギとなった。最初に安藤が取り組んだのは、プロジェクトメンバーに限らず、すべてのスタッフが「現場改善を常態化できる」環境づくりだ。


安藤:「『大部屋活動』として毎朝朝礼を行い、安全・品質の確認、前日の振り返り、当日の作業計画、改善課題の方向性確認を実施するようにしました。そこで見えた課題は、現場リーダーがその場で共有・検討し、対応方針を決めることで迅速なアクションにつなげています。本格稼働から1年が経ち、こうした地道な取り組みが実を結んで、徐々に現場の意識が変わり、社員それぞれの自律心が高まってきていると感じています」


京田辺拠点で培った「One Panasonic Logistics」としての知見と実績を基に、今後は物流改革をグループすべての拠点へと展開していくのが次なる目標となる。

首都圏での挑戦――地域特性に応じた物流モダナイゼーション


安藤が次なる改革の舞台として取り組みをスタートしているのが首都圏だ。


関西と首都圏は、共に地方への在庫補充などを担う広域物流拠点として、比較的似た機能を持つ。取り扱う商材も空調、電材、設備関連と共通している。一方で安藤は、首都圏では複数の倉庫を大型拠点に集約した「京田辺モデル」を、そのまま適用する考えはないという。


安藤:「首都圏では利用できる土地が限られ、賃料も高くなります。そのため外部倉庫の利用をできるだけ減らしながら、既存の自社物件を最大限活用することを前提に、物流ネットワークをモダナイズ(既存の資産を生かしながら刷新)することにしました。大きく4つの区域に分け、各区域の顧客ニーズ、配送先、商流に応じた最適な配送網に再編していきます」


この構想に合わせて、倉庫や中継拠点の配置、配送ルートも一体的に見直していく。これまで各拠点単位に最適化してきた輸配送を、首都圏全体を見据えた「ネットワーク最適」へと転換していく構想だ。


一方で、老朽化した物流システムについては、関西・首都圏共通で活用できる標準物流システムの開発を推進している。


安藤:「首都圏でも既存の複数倉庫を見直し、一部の外部倉庫を削減しながら拠点間で移転を進めていきます。ただし、これは日々の生産や販売、顧客活動などの業務を止めずに実行する必要があります。そのため、関西で培ったプロジェクトの立ち上げや進め方、マネジメントの方法を横展開する方向で進めています。物流部門だけでなく、営業、マーケティング、製造、情報システムなどの関係部門を巻き込みながら、顧客への説明、工場からの納入先変更、出荷拠点や仕組みの切り替えを緻密に進める必要があります。変革を掛け声で終わらせず、成果へ結びつける力を組織として身につけることが重要です」


首都圏の配送網再編に目途がつけば、次は全国を6つの地域に分け、それぞれの事情に応じて在庫拠点の集約と物流ネットワークの再構築を進めていく考えだ。京田辺から始まった「One Panasonic Logistics」は、いま首都圏、そして全国へと広がろうとしている。

グローバルで進む新たな挑戦――国内外をつなぐ物流・貿易改革


PEX物流部門が手掛ける領域は、日本国内にとどまらない。同部門は、関税法をはじめとする貿易関連法規の順守や、環境に配慮した物流の推進など、グループガバナンスの観点からも事業活動をサポートし、海外地域物流・国際間物流も合わせたグローバルサプライチェーンの革新にも貢献している。


安藤:「グループ全体の競争力強化のためには、海外で事業や販売を展開する際にも、製造、貿易、物流を個別に捉えるのではなく、国や地域を越えてサプライチェーン全体をつなぐ視点で物流を効率化していくことが求められます」


北米では、設備や原材料を安定的に供給する物流体制を構築し、輸送期間の短縮や物流オペレーションの効率化を通じ、事業の立ち上げを物流面から支えている。米国・カンザス州やメキシコなどでも、それぞれの事業特性や地域の条件に応じた物流・貿易改革を推進。さらにグローバル全体では、各地域の事業環境や商習慣に対応しながら、貿易業務を統合的に管理する仕組みの整備を進めている。こうした業務やデータの標準化、拠点間の連携強化を通じて、国や地域を越えた物流の最適化を図っている。


物流は、モノを運ぶための機能ではなく、事業競争力を支える経営基盤である。安藤の視線は、一つの物流拠点や一つの国にとどまらず、グローバルサプライチェーン全体の最適化へと向けられている。

2030年に向けて――物流改革がもたらす未来


パナソニックグループが描くのは、国内外の物流がシームレスにつながる未来だ。全世界の拠点が共通の基盤によってつながり、物流データを横断的に活用できるようになれば、倉庫運営、輸配送管理や在庫管理等をサプライチェーン全体で最適化できる。


安藤は、パナソニックグループが目指す次世代物流の姿として、グローバル各地域・国で活用する標準物流システムと、国際間物流を支える貿易物流システムの刷新・連携を目標の一つに挙げる。


安藤:「日本国内で共通のインフラとなる標準物流システムについては、2027年度下期にスモールスタートし、2030年の完成を目指して開発を進めています」


PEX物流部門が構想する標準物流システムは、今後、事業や組織の形が変化した場合でも継続的に事業活動との連携を維持できることを前提としている。また、パナソニックグループ内だけで完結する閉じた仕組みではなく、物流パートナーなどの社外とも接続可能な、オープンで拡張性の高いシステムとして設計を進める計画だ。


また、標準物流システムの構築と並行して、蓄積したデータやAIをさらなる現場改善に生かしていく。AIの活用は、人の仕事を置き換えるためではなく、人員配置や作業計画、改善策の立案など、人の判断を支援することを目的としている。


さらにその先に見据えるのは、グループの枠を越えた連携だ。物流会社や同業他社、サプライチェーンを構成するパートナーとの連携も視野に入れる。企業や組織の枠を越えた物流資源の有効活用が進めば、人手不足や環境負荷など、社会や業界全体が抱える課題への対応にもつながる。


安藤:「将来的には、貿易物流システムと日本を含むグローバル各地域の標準物流システムを有機的かつシームレスにつなげていきます。そうすることで、物流をグローバルに可視化し、グローバルサプライチェーン全体の革新を柔軟に加速させたいと考えています」


京田辺で具現化した「One Panasonic Logistics」は、物流改革の一つの成果であると同時に、さらなる変革への起点でもある。国内からグローバルへ、グループ内の効率化から社会全体の最適化へ。物流をグループの成長と社会課題の解決を支える経営基盤へと進化させる挑戦は、これからも続いていく。



◆パナソニックグループのオウンドコミュニケーションメディア Panasonic Stories

自らの言葉で思いを伝える/『ひと』を通じてパナソニックグループの姿を届ける。

グループの考え方や取り組み、挑戦をタイムリーかつ分かりやすくお伝えします。

※今回の取り組みはこちらでも紹介しています

https://news.panasonic.com/jp/stories/19087









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