2位は横井きな結(21)。2023年全日本ジュニアで8位となり、念願の全日本選手権へ初出場し、強化選手入りを果たす。
しかし、翌年練習中に左足首骨折の大けがを負う。そこからけがを抱えながらも競技に向き合い続けるが、去年の西日本選手権では全日本までわずかに届かなかった。
そして、大学4年生となる今季。現役ラストシーズンを掲げている横井は、全日本への第一歩となる「最後の中部ブロック」を幼き頃から練習し続けてきたホームリンクで迎えた。
そのショートでは、けがをしてから跳べていなかったという高難度ジャンプの3回転ルッツを成功。3つのジャンプを加点のつく出来栄えでノーミスすると、3つのスピンとステップで最高評価のレベル4を獲得した。
息を呑むような圧巻の演技で自己ベスト更新の67.66点をマークし首位発進。チームメイトたちも歓喜の涙を流しながらキスクラに駆け寄り、会場は感動の渦に包まれた。
「やっとみんなに良い姿を見せられた。フリーは自分の今できる最大限のパフォーマンスで表彰台に乗りたい」と挑んだフリー。
最終滑走の緊張を感じながらも、「チームメイトの山下や松生(理乃)が好演技をしているのを感じながら落ち着いて臨めた」とショートに引き続きノーミス演技。
披露した新プログラム『Angels(XXV)』を力強いボーカルの歌声に乗せて、横井のスケートの美しさを詰め込んだ演技で魅せ切った。
演技後にはこれまで支えてくれた先生やスタッフたちへ向けて、男前の豪快なガッツポーズも飛び出した。
自己ベスト更新のトータル189.69点を獲得し、目標の2位表彰台となった。
「全日本出場は絶対クリアしたい目標ではあるけど、出るだけでなく今回のようにしっかり課題をクリアしていきたい」
3年ぶりの夢舞台の切符をかけた西日本選手権では優勝を目指して突き進む。
3位は松生理乃(22)。10月10日に22歳の誕生日を迎え、その翌日ショートに臨んだ松生。苦手意識があるという1番滑走に苦戦し、3つ目のジャンプにミスが出てしまう。
それでも、新衣装とともに新しい挑戦だというジャズのプログラム『Under Paris Skies』を滑り切り3位につけた。
そして迎えたフリーは、3季目のタッグとなるローリー・ニコルと作り上げた『月の光』。冒頭は『ベルガマスク組曲第4曲パスピエ』で構成され、後半は美しいピアノの音色が印象的な月の光となっている。
『月の光』は、ミラノ・コルティナ五輪代表の千葉百音も同じ楽曲を使用している。
「(同じ『月の光』を)使っていると知った時は、比べられてしまうと思って正直ちょっと嫌だなと思ってしまいました。百音ちゃんは、体で月そのものを体現しているようなイメージ、
私は自分が月を見上げていて、月に注目しているという情景をローリー先生と考えながら作ったので、そういうところが違うと思っています。その違いを見ている人には楽しんで欲しい」
こう語るように細部までこだわった動きと、松生のエアリーで無重力さを感じさせるスケーティングが存分に生かされた滑りで観客を魅了。さらにショートでミスのあった3回転ルッツと3回転フリップを気合いで着氷させ、3位表彰台に上った。
ともに表彰台に上った横井とは同じ中京大学の同期でありチームメイト。松生は横井の演技に感動し、大号泣したという。
「ここに調整してきて、100%クリアな演技を出すのは本当にすごいこと。ラストシーズンの意地を感じて、負けてられないなとすごく思いました」
松生は6年連続出場のGPシリーズへ挑み、お互い高め合いながら、それぞれの目標に向かって駆け抜ける。

