三重県亀山市の新名神高速で、大型トラックがながら運転で渋滞の列に突っ込み6人が死亡した事故で、津地裁は運転していた女に拘禁刑7年を言い渡しました。判決を聞いた遺族からは憤りの声も…。
マスク姿で裁判所に入ったのは、水谷水都代被告(55)。
ことし3月、亀山市の新名神高速のトンネル内で、大型トラックが渋滞の列に追突・炎上した事故で、関西方面に家族旅行中だった静岡県袋井市の松本幸司さん(当時45)一家5人と、単身赴任先から兵庫県の自宅に帰る途中だった埼玉県の団体職員・高峰啓三さん(当時56)、6人の命を奪ったとして過失運転致死の罪に問われています。
水谷被告は起訴内容を認めていて、裁判で検察側から、事故直前に「TikTokで料理を特集するショート動画を見ていて、およそ13秒間脇見をしていた」などと指摘されています
松本幸司さんの姉(2026年7月):
「単なる事故だとは思っていなくて、私たちは『殺された』と思っていますので」
松本恵梨子さんの兄(2026年7月):
「『ながらスマホ』『過失』そんな言葉で終わらせてほしくない」

検察は「結果の重大性や遺族の処罰感情は峻烈を極め、刑事責任は重大」「厳重に処罰する必要性が高い」などとして、過失運転致死罪では最も重い、拘禁刑7年を求刑。
弁護側は「相応の判決を賜りたい」「酌量の余地はありません」などとして、結審していました。
20日の判決では、遺族のすすり泣く声が聞こえる中、求刑通り過失運転致死罪の上限となる拘禁刑7年が言い渡されました。

出口博章裁判官は、「水谷被告が十数秒間スマートフォンの画面を脇見し、安全確認を怠った。事故の危険を顧みない軽率な運転が招いたと言える過失は重大で、厳しい非難に値する。この事故に遭い、それぞれの充実し将来ある人生を理不尽にも断ち切られた被害者らの苦痛・無念は察するに余りある」と指摘しました。
裁判中、傍聴席にいる遺族と目を合わせることがなかった水谷被告。判決を受けて遺族は…。
高峰啓三さんの長男:
「7年、最長ということで、個人的には当然だろうと思っていました。ただ、『7年か…』というのは正直あって、6人亡くなってこれか…というのはすごく思います」
松本恵梨子さんの兄:
「祭壇にいるあの子たちに、7年とだけは伝えます。ただ、喜べない…何もうれしくないです。こんな報告をするのは。『上限は必要ですか?』って思うんです。『それで残された人たちが納得できるんですか?』と思っています」
「拘禁刑7年」という量刑に対して複雑な思いを語った上で、被告の法廷での態度に不満を述べました。
松本恵梨子さんの兄:
「反省の弁を僕たちにしてくれなくてもいいので、何を思ってこういうことをしてしまったのかを、裁判の中でしゃべっていただきたかった。それが聞けなかったのが本当に残念」
判決後、水谷被告の弁護士は「控訴については被告本人が検討中」としています。

