フランスで大きな被害が出た大規模な暴動。近年起きたものの中でも「最悪」と言われています。
17日、フランス全土で教育環境の改善や物価高対策を求め55万人が参加した大規模デモ。
多くの場所では平和的に行われたものの、一部が暴徒化。パリ市内では取材中に店舗が襲撃され、ガラスが粉々に。
また、フランス第3の都市リヨンでは、観光案内所が全身黒ずくめの集団の襲撃を受け、建物から黒い煙が。
フランス中部の都市リモージュでは、19世紀後半に建てられた歴史的建造物である市庁舎が放火され、鐘楼や屋根が崩落し全焼するなど、こうした暴動はフランス全土に広がり、”近年最悪”と言われる規模にまでなりました。
デモにまぎれて破壊行為を行っていたのは黒い服や黒い覆面を身に着けた「ブラック・ブロック」と呼ばれる集団。デモの参加者からも「抗議活動の正当性が損なわれる」と問題視されています。
これまでにフランス全土で約3000店舗などが略奪や放火などの被害を受け、約2,500人が拘束されています。
■デモの出発点 パリの広場の周辺には“暴動の傷跡”
デモ活動の“出発点”となったパリのレピュブリック広場から、暴動の被害の爪痕が残る状況をFNNパリ支局長・陶山祥平記者が現状を報告しました。
レピュブリック広場にある「マリアンヌ像」には土台などに無数の落書きが残され、中継の時間帯には、消す作業が続けられていました。
また、広場の脇を通る道路には焼けた車が放置され、周辺では損傷してシートがかけられた商業施設なども確認できました。
■甚大な被害を受けた歴史的建造物 知事らが深刻さ訴え“暴徒”を非難
【陶山記者】「商店の被害も多くあります。その一方で、今回被害は歴史的な建造物にも及んでいます。
リモージュ市の視聴者はベルサイユ宮殿の主任建築家が設計し、1883年に完成しました。1975年に歴史的建造物に登録され、長年地元に愛されてきました。
今回放火され甚大な被害が出ました。
県知事は「文化遺産にとっての大惨事だ」と述べるなど被害の深刻さを訴えています。
またフランス・リヨンにある歴史的建造物も被害に遭っています。
1852年に軍用施設として建てられ観光案内所として使われてきました。
リヨン市は公式声明で建物への放火を「極めて重大な出来事、暴力行為に及んだ人々は、人々が共有する遺産、リヨンの歴史の一部、そしてすべての人の財産を傷つけた」と非難しています」
■2018年には凱旋門が被害 今回は焼失・崩落 復旧の道筋見えず
フランスでは2018年にガソリン価格の高騰や燃料税の引き上げをきっかけとした「黄色いベスト運動」でパリの凱旋門に多数の落書きがされたり展示物が破壊されたりする被害が出て、およそ5カ月で修復されました。
今回の被害はさらに深刻になる恐れがあります。
【陶山記者】「(2018年の)凱旋門の被害は修復の完了が報じられたのはおよそ5か月後でした。美術作品を含む工事費用は120万ユーロ、現在のレートでおよそ2億1000万円にのぼったといことです。
ただ今回は建物が焼けたり崩れ落ちたりする被害が出ています。
リモージュ、リオンでの被害について復旧に必要な費用や期間については現時点で具体的な見通しは立っていません。
街の歴史を見続けてきた建物をどこまで元の姿に戻せるのか、復旧の道筋はまだ見えていない状況です」
(関西テレビ「newsランナー」2026年10月20日)
